4月と言えばエイプリルフール!
というわけで、皆様「メディカル・リリィ」はお楽しみいただけましたでしょうか?
見逃した方は残念ポンでした。もっとも、そんなに凝ったモンじゃなかったですけど。
今月の企画スタートします。
題して「またまた四月馬鹿延長企画・パラレル強化月間」です。
久々にパラレル強化月間でいきたいと思います。何時ぶりだ?
でまあ、記念すべき第一弾はラヴィアンローズから。
何だか長くなりそうなので、番号振ってみました。
今回、双子の娘たちがでっかくなってます。
可愛い幼稚園児といちゃっぷるな保護者がお好きな方にはご満足いただけないかもしれません。
霧島が妄想する双子たちの将来像ということで、最早完全にオリキャラストーリーです。
それでもいいんじゃね?という方は覗いてみて下さい。
……うっかりすると女体化ものに見えかねない。
というわけで、皆様「メディカル・リリィ」はお楽しみいただけましたでしょうか?
見逃した方は残念ポンでした。もっとも、そんなに凝ったモンじゃなかったですけど。
今月の企画スタートします。
題して「またまた四月馬鹿延長企画・パラレル強化月間」です。
久々にパラレル強化月間でいきたいと思います。何時ぶりだ?
でまあ、記念すべき第一弾はラヴィアンローズから。
何だか長くなりそうなので、番号振ってみました。
今回、双子の娘たちがでっかくなってます。
可愛い幼稚園児といちゃっぷるな保護者がお好きな方にはご満足いただけないかもしれません。
霧島が妄想する双子たちの将来像ということで、最早完全にオリキャラストーリーです。
それでもいいんじゃね?という方は覗いてみて下さい。
……うっかりすると女体化ものに見えかねない。
東城大病院外科病棟の新人研修医、速水晃子は有名人だった。
まず容姿。
背が高くスタイルもよく、十人中十人が認める美人。
次いで性格。
怖いもの知らずで気が強く、あらゆる男を薙ぎ払う攻撃的なタイプ。
最後に家族構成。
両親は両方とも東城大病院の名物医。双子の妹がまた評判の可愛い系。
付いた渾名が「血まみれ女王(ブラッディ・メアリー)」だ。
「はい、終わり!」
ペアンを放り出して晃子は宣言した。
指導医が嫌そうな顔で晃子を見るが、晃子は鼻で笑った。
晃子の手技が際立っているのは明らかだ。
晃子に劣る腕で、何を言おうが説得力など皆無である。
颯爽と手術室を出ていく様子はまさに「女王」だった。
医局に戻ると、机の上に可愛らしいお弁当の包みが置いてあった。
「あ、きみ来たんだ?」
「ええ、はいっ!」
周囲を見回しながら誰にともなく尋ねれば、男性看護師が楽しそうに頷いた。
そのままホワン、と表情を緩ませる。
続くセリフを予想して、晃子はうんざりした顔になった。
「かわいーですよねえ、公子先生」
「やらないぞ」
「……晃子先生、シスコンってホントなんすね」
「るっさい」
言いながら、お弁当の包みを広げる。
中身は双子の妹・公子特製おにぎりとサラダ、フルーツだった。
「あきちゃん、時間なくてもお野菜ちゃんと食べなきゃダメよ」と、弁当の差し入れをしてくれるのである。
自分の妹ながら、公子は実に可愛い。
「似てないですよね、晃子先生と公子先生」
「二卵性だしな。あたしは親父似、きみは母さん似」
「あー、伝説の将軍(ジェネラル)…………」
似てる似てないの話になると、必ず出てくる父の話題。
晃子は苦笑を浮かべた。
今のところ、晃子はコンプレックスや僻み根性とは無縁である。
晃子の、他人の評価を歯牙にもかけない大胆さ故かもしれなかった。
東城大病院神経内科の新人研修医、速水公子も有名人だった。
まず容姿。
小柄で目が大きく、十人中十人が可愛いと認めるタイプ。
次いで性格。
老若男女に好かれる、おっとりとした癒し系。
最後に家族構成。
両親が両方とも東城大病院の名物医。双子の姉は評判の美人系。
付いた渾名が「白い貴婦人(ホワイト・レディ)」だ。
「そうですか…………痛みの方は如何ですか?」
「そうねえ、最近は調子がいいみたい。お薬飲まなくても大丈夫で……あら、ゴメンなさいね、サボってるワケじゃないのよ」
老夫人がうっかり零してしまった一言を取り繕おうと、しきりに手を振る。
公子はゆったりと笑って言った。
「あら、飲まなくても大丈夫なんですか? いいことですよ、それ」
「そうですか? それなら薬止めても……」
「ええ、でも具合が悪くなったら、何時でもいらして下さいね」
気難しい老婦人が微笑と共に帰っていく。
扉が閉まってから、公子は大きく背伸びをした。
「奥の院」に入ると、デスクにいた丹羽看護師が顔を上げて笑う。
「お疲れ様でした、速水先生。今コーヒー淹れますね」
「あ、お願いしますっ」
丹羽看護師は笑って立ち上がり、年季の入ったサイフォンのアルコールランプに火を点した。
入れ替わりに公子が椅子に腰を下ろす。
コーヒーを待つ間、公子はパソコンを立ち上げた。
書類仕事はマメに進めていかないと、後で泣きを見る。
「どうぞ」
「あ、有り難う御座います」
カルテの空白を睨んで思案する公子に、丹羽看護師はコーヒーを差し出した。
コーヒーの芳香に公子の表情が緩む。
丹羽看護師は小さく笑った。
「丹羽さん?」
「ホント、田口先生に似てますね、速水先生」
「そうですか?」
公子は首を傾げた。
父や姉、周囲の人々はこぞって公子は母親似だと言うが、公子は余り深く考えたことがない。
似ているのはコーヒー党で血が苦手、というところぐらいだろうか。
首を傾げている公子に、丹羽看護師はにこりと笑った。
「愚痴外来も大分板に付いてきましたよ」
「『田口』じゃないから、愚痴外来でもないですけどね~~」
公子の母親が立ち上げた「不定愁訴外来」は、今でも東城大病院にある。
田口が外来を持てなくなるほど偉くなってしまった時に閉鎖の動きもあったのだが、折よく不定愁訴外来向きの医師がいて、彼が引き継いだ。
その医師も「田口」ではなかったが、何となく公称・不定愁訴外来、俗称・愚痴外来は定着してしまっている。
母親の仕事をちゃんと引き継げていると、母を知る人から言って貰えるのは、とても嬉しいことだった。
まず容姿。
背が高くスタイルもよく、十人中十人が認める美人。
次いで性格。
怖いもの知らずで気が強く、あらゆる男を薙ぎ払う攻撃的なタイプ。
最後に家族構成。
両親は両方とも東城大病院の名物医。双子の妹がまた評判の可愛い系。
付いた渾名が「血まみれ女王(ブラッディ・メアリー)」だ。
「はい、終わり!」
ペアンを放り出して晃子は宣言した。
指導医が嫌そうな顔で晃子を見るが、晃子は鼻で笑った。
晃子の手技が際立っているのは明らかだ。
晃子に劣る腕で、何を言おうが説得力など皆無である。
颯爽と手術室を出ていく様子はまさに「女王」だった。
医局に戻ると、机の上に可愛らしいお弁当の包みが置いてあった。
「あ、きみ来たんだ?」
「ええ、はいっ!」
周囲を見回しながら誰にともなく尋ねれば、男性看護師が楽しそうに頷いた。
そのままホワン、と表情を緩ませる。
続くセリフを予想して、晃子はうんざりした顔になった。
「かわいーですよねえ、公子先生」
「やらないぞ」
「……晃子先生、シスコンってホントなんすね」
「るっさい」
言いながら、お弁当の包みを広げる。
中身は双子の妹・公子特製おにぎりとサラダ、フルーツだった。
「あきちゃん、時間なくてもお野菜ちゃんと食べなきゃダメよ」と、弁当の差し入れをしてくれるのである。
自分の妹ながら、公子は実に可愛い。
「似てないですよね、晃子先生と公子先生」
「二卵性だしな。あたしは親父似、きみは母さん似」
「あー、伝説の将軍(ジェネラル)…………」
似てる似てないの話になると、必ず出てくる父の話題。
晃子は苦笑を浮かべた。
今のところ、晃子はコンプレックスや僻み根性とは無縁である。
晃子の、他人の評価を歯牙にもかけない大胆さ故かもしれなかった。
東城大病院神経内科の新人研修医、速水公子も有名人だった。
まず容姿。
小柄で目が大きく、十人中十人が可愛いと認めるタイプ。
次いで性格。
老若男女に好かれる、おっとりとした癒し系。
最後に家族構成。
両親が両方とも東城大病院の名物医。双子の姉は評判の美人系。
付いた渾名が「白い貴婦人(ホワイト・レディ)」だ。
「そうですか…………痛みの方は如何ですか?」
「そうねえ、最近は調子がいいみたい。お薬飲まなくても大丈夫で……あら、ゴメンなさいね、サボってるワケじゃないのよ」
老夫人がうっかり零してしまった一言を取り繕おうと、しきりに手を振る。
公子はゆったりと笑って言った。
「あら、飲まなくても大丈夫なんですか? いいことですよ、それ」
「そうですか? それなら薬止めても……」
「ええ、でも具合が悪くなったら、何時でもいらして下さいね」
気難しい老婦人が微笑と共に帰っていく。
扉が閉まってから、公子は大きく背伸びをした。
「奥の院」に入ると、デスクにいた丹羽看護師が顔を上げて笑う。
「お疲れ様でした、速水先生。今コーヒー淹れますね」
「あ、お願いしますっ」
丹羽看護師は笑って立ち上がり、年季の入ったサイフォンのアルコールランプに火を点した。
入れ替わりに公子が椅子に腰を下ろす。
コーヒーを待つ間、公子はパソコンを立ち上げた。
書類仕事はマメに進めていかないと、後で泣きを見る。
「どうぞ」
「あ、有り難う御座います」
カルテの空白を睨んで思案する公子に、丹羽看護師はコーヒーを差し出した。
コーヒーの芳香に公子の表情が緩む。
丹羽看護師は小さく笑った。
「丹羽さん?」
「ホント、田口先生に似てますね、速水先生」
「そうですか?」
公子は首を傾げた。
父や姉、周囲の人々はこぞって公子は母親似だと言うが、公子は余り深く考えたことがない。
似ているのはコーヒー党で血が苦手、というところぐらいだろうか。
首を傾げている公子に、丹羽看護師はにこりと笑った。
「愚痴外来も大分板に付いてきましたよ」
「『田口』じゃないから、愚痴外来でもないですけどね~~」
公子の母親が立ち上げた「不定愁訴外来」は、今でも東城大病院にある。
田口が外来を持てなくなるほど偉くなってしまった時に閉鎖の動きもあったのだが、折よく不定愁訴外来向きの医師がいて、彼が引き継いだ。
その医師も「田口」ではなかったが、何となく公称・不定愁訴外来、俗称・愚痴外来は定着してしまっている。
母親の仕事をちゃんと引き継げていると、母を知る人から言って貰えるのは、とても嬉しいことだった。
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