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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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多分4回になりそうです。
あきのカッコいい場面と、きみのカッコいい場面と、両親のカッコいい場面を書きたい。

前回登場させた二人の渾名は、カクテルの名前からとりました。
先に"ブラッディ・メアリー"、"ホワイト・レディ"があったワケです。
「血まみれ将軍(ジェネラル・ルージュ)」に近い渾名を付けたくて、「血まみれ女王(ブラッディ・メアリー)」にしたワケですが、その渾名らしい場面を書きたいなぁと思ってます。
あ、オリキャラがいますけど引き立て役のモブです。
名前が無いと書き難かったので、便宜上名前を付けただけ。


私信:初さま
39999ヒットおめでとう御座います! 報告有り難う。
霧島の好きにしていいってことよね? 好き勝手やっちゃうぞっ☆

「いえ、すみません、ウチも満床でとても受け入れられません」

医局に戻って来た晃子の耳に飛び込んできたのはそんな言葉だった。
先輩医師である秋山が電話で喋っていた。
確かに病床は80パーセント埋まっていたが、それでも100ではない。
まだ受け入れられるはず。
そう思いながら見ていると、電話を切った秋山が晃子の視線に気付いて顔を歪めた。
マズイところを見られた、とその表情が語っている。

「何処からだったんですか?」
「…………救急搬入だ」
「救急? でもウチは…………」

救命救急センターが閉鎖したとはいえ、東城大病院は総合病院だ。
救急搬入依頼があってもおかしくはない。
断ってしまって……しかも嘘を吐いてだ……よいものだろうか。
晃子が眉を顰めていると、つかつかと一人の看護師が歩み寄って来た。
外科病棟の如月翔子看護師長だった。
晃子と秋山の間に割り込むと、だんっと机を平手で叩いた。
晃子は目を見開いたが、秋山は一歩下がって蹈鞴を踏む。
最初から及び腰の秋山に向かい、如月は強い声で報告した。

「列車脱線・転覆事故が発生しています。既に軽傷者が多数。重傷者が救助搬送されてくるのはこれからです」
「まさか、先程断ったのって…………!」

自分で呟きながら、その想像に晃子は背筋が寒くなる。
晃子と如月、女性二人の鋭い視線に秋山はたじろいだ。
もごもごと口を開くが、その言葉は

「しかし、医局長の指示も無いのに」

という言い訳がましいもの。
如月の目が更に鋭くなった。
父の教えを受けたとかで如月とは入局前から親しかったが、普段の人懐っこい如月とは別人だった。
如月は秋山のイエスを待っている。
決断を迫るように、電話が鳴った。

「救急搬入要請です!」

電話をとった看護師が、秋山と如月を見る。
晃子は焦れた。
衝動が口を突いて出る。

「受けて」

秋山の、如月の、医局にいる全員の視線が晃子に集まる。
その全ての視線を晃子は見つめ返して、一つ頷いた。

「は、速水くんっ、勝手なことを言うなっ」
「るっさい! ここで見過ごして、何の為の医者だっ?! 大体あんたがモタモタしてるのが悪い!」

秋山の叱責に晃子は怒鳴り返した。敬語もナシだ。
実際、晃子はかなり怒っていた。
まだ限界ではない、やれることがあるのだ。
それなのに何もせず、受け入れて欲しいと言ってきた救急隊と被害者を断われるだろうか。
医者になったのは父の背中を見ていたからだ。
死の淵から患者を呼び戻す、その為に全力と最善を尽くす、父を見ていたからだ。
見過ごすことなど出来る筈がなかった。
秋山の隣りで如月が噴き出した。

「いいのね?」
「はい」

小さな笑みを浮かべて、如月は晃子に尋ねる。
晃子は一つ頷き、意志を言葉にした。

「今後、事故被害者の救急搬入要請は全て受け入れて下さい」
「解った。今だけは貴方がボスよ」

如月は言うと、まず電話対応中の看護師に要請受け入れの返答を指示した。
それから外科病棟にスクランブル指令を掛ける。
集まって来た看護師達を見回し、如月は笑ってさえみせた。
ひょい、と手で晃子を促す。
その仕草だけで、この場の指揮権が秋山ではなく晃子にあると看護師達に示唆してくれていた。
それに背中を押されて晃子は口を開く。

「列車脱線転覆事故が発生しました。救急搬送を全て受け入れます。オペ室と処置室を確保、病棟ベッドを可能な限り空けて下さい」
「これだけの大規模災害は初めてね。でも、私は貴方達をこういう事態に対応できるよう鍛えたつもり。心配することないわ、目の前の仕事を一つずつ確実にこなすこと。以後、速水先生の指示に従って下さい。やるわよ」

再度如月が口を開き、最後にぱぁんと手を打った。
戸惑い気味だった看護師達の顔がきりっと引き締まる。
主任クラスを中心に動き出した看護師達のざわめきに、電話の響きが混ざった。
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