12月企画、maru様からのリクエストです。
maru様、企画参加有難う御座いました。
リク内容は「すずめ四天王、イブ記念オール」ということでした。
タイトルで薄々お分かりの方もいらっしゃると思いますが、14日up「オフェンス~」繋がりです。
……リクメール読み返してみたら、とっても違っているカンジ。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
31111ヒット、ほたか様へ。
ヒットおめでとうございます!
リクエスト何時でも結構です。待ちます。
冬のご準備、頑張って下さいませ、楽しみにしております。
maru様、企画参加有難う御座いました。
リク内容は「すずめ四天王、イブ記念オール」ということでした。
タイトルで薄々お分かりの方もいらっしゃると思いますが、14日up「オフェンス~」繋がりです。
……リクメール読み返してみたら、とっても違っているカンジ。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
31111ヒット、ほたか様へ。
ヒットおめでとうございます!
リクエスト何時でも結構です。待ちます。
冬のご準備、頑張って下さいませ、楽しみにしております。
「だから無理して来なくていいって言ったのに」
「仕方ねえだろ、眠くなっちまうんだから」
田口が呆れた顔で言えば、速水は苦虫を噛み潰したような顔で呟いた。
速水とクラシックの相性は余り宜しくない。
それとも、抜群にいいと言うのだろうか。
案の定、コンサートの最中に速水は寝こけてしまった。
寝ただけなら想定内というところで、速水がそこまで仏頂面することもなかったのだが。
「反対側に寄り掛かれば良かったのにねえ」
速水と田口の一歩後ろを歩く彦根がコッソリ呟く。
彦根の言葉に、島津は溜息を吐きながら肩を揉んだ。
コンサートホールでの席順は、速水の右隣に田口、左隣に島津。
眠気に襲われた速水は、左隣の島津に寄り掛かってしまったのだ。
島津は三度速水の頭を押しのけたが、四度目でとうとう諦めた。
演目が終了し、目を覚ました時の速水の落胆といったら、言葉では言い表せない。
速水と島津と、双方がとてもしょっぱい気分になったものである。
「この後どうします?」
先輩三人に聞こえるように彦根は尋ねた。
前を歩いていた速水と田口が足を止めて振り返る。
それから、何となく顔を見合わせた。
時間的にはこれからパーティーが始まるような時刻だ。
オーケストラ部の打ち上げもこれからスタートで、実際に田口も誘われていた。
だが、速水がさっさと断ってしまっている。
田口の方も、部外者の自分がオケ部の打ち上げに参加することに躊躇を感じていたので、そこに異論は無かった。
異論があったのは田口を誘ったオーケストラ部員だろうが、そんなのは速水の知ったことではない。
人も街もこれからが盛り上がろうという時刻に、「じゃあまた」は味気無い気がするのは、四人とも同じだった。
島津がうんざりした顔で口を開く。
「すずめにでも行くか?」
「だな」
「ま、そんなとこでしょうね」
そうして、聖なる夜にすずめ四天王は揃って雀荘に足を運ぶことになったのである。
「あんたら、他に行くトコ無いの」
流石に雀荘とクリスマスは無縁だった。
「すずめ」の店内はいつも通りに寂れている。
雀荘のママが呆れた顔で言うのに、四人はそれぞれ渋い顔で返した。
席料を払うと、指定席になりつつあるいつものテーブルに着く。
「折角ですから、趣向を変えますか」
彦根がそう言い出したのは、洗牌をしている時だった。
田口が首を傾げる。
「趣向?」
「はい。何か罰ゲームとか付けません? クリスマスですし」
「何処にクリスマス関係あるんだよ」
「罰ゲームって何だ?」
彦根の提案に速水は笑った。
クリスマスだからと言って、特別ルールの麻雀をする意味が解らない。
罰ゲームの方に首を傾げたのは島津だったが、言いだしっぺの彦根の方にも具体的な罰ゲームの内容は思いついていなかった。
「さあ? 脱ぐとか?」
「男四人で脱ぎ麻雀やって楽しいか?」
想像しただけで薄ら寒い光景だ。
まして「すずめ」は暖房効率が悪く隙間風が吹く。実際に寒いだろう。
四人が揃って首を横に振り、恐ろしい想像図を脳裏から追い出した。
草臥れた表情の田口が口を開いた。
「勝った人が負けた人に命令するってのは?」
「ありきたりだなぁ」
「でもそれでいいんじゃないですか?」
「まあ妥当だろ。始めるぞ」
島津が掛け声と共にサイコロを転がし、ゲームが始まった。
途中経過にはいろいろあったが、結果だけ言えば一番勝ったのは速水だった。
「さあぁ、どうしよっかなあ?」
「…………あんまり無茶言うなよ、頼むから」
勝利者らしい、残酷な笑みを浮かべて速水は笑う。
田口はボソボソ呟きながら速水から視線を逸らした。
「予想通りだなぁ」
「寧ろ執念ですよねえ」
他人事の口調で島津と彦根が呟く。
自分が勝っただけでは、速水もここまで楽しそうにはしない。
田口が負けて、自分が田口に命令できる立場であるという事が実に楽しくて仕方がないのだ。
速水という男をよく知っている島津と彦根は、呆れ半分の溜息を吐いた。
田口がハラハラしながら審判を待つ。
によによと笑いながら考え込んでいた速水は、一つ心を決めると田口に向かってにっこりと笑った。
「お前、冬休みの間、俺の家政夫な」
「か、家政夫っ?!」
「『冬休みの間』ときたか」
「確かに期限決めませんでしたもんねぇ」
速水の言葉に田口は仰天し、それからぐったりと草臥れた顔になった。
田口の脳内では、速水の小間使いと化した己が、料理やら洗濯やら掃除やらに明け暮れる映像が展開している。偉そうにふんぞり返った速水付きだ。
何でも命令できる、というのがルールだったので、これもルール違反ではない。
冬休みの二週間程度なら、良心的な部類だろう。
しかし、田口が気付いていない速水の意図を、島津と彦根はしっかり読みとった。
「二週間べったりかよ…………」
「楽しい同棲生活ってヤツですね」
家政夫であるなら田口は速水の家に行かなければならない。
当然ながら、速水と一緒に過ごす時間が増える。
食事は一緒に摂ることになるだろうし、田口を泊めることも簡単だろう。
速水にとっては、楽しくなりそうなこと間違いなしだ。
「大掃除があるんだよなぁ~」
「お前、手伝う気無いだろうっ?!」
彦根と島津の視線の先で、田口が悲鳴じみた声を上げている。
おそらく田口は、冬休みが終わっても速水の意図に気付かないだろう。
速水が大いに満喫するだろう冬休みを想像し、邪魔しに行くべきかどうか、彦根は真剣に考え込んだ。
「…………俺は、馬に蹴られるのは願い下げだぞ」
彦根の眼差しに不穏なものを感じ、島津は草臥れた調子で呟いた。
「仕方ねえだろ、眠くなっちまうんだから」
田口が呆れた顔で言えば、速水は苦虫を噛み潰したような顔で呟いた。
速水とクラシックの相性は余り宜しくない。
それとも、抜群にいいと言うのだろうか。
案の定、コンサートの最中に速水は寝こけてしまった。
寝ただけなら想定内というところで、速水がそこまで仏頂面することもなかったのだが。
「反対側に寄り掛かれば良かったのにねえ」
速水と田口の一歩後ろを歩く彦根がコッソリ呟く。
彦根の言葉に、島津は溜息を吐きながら肩を揉んだ。
コンサートホールでの席順は、速水の右隣に田口、左隣に島津。
眠気に襲われた速水は、左隣の島津に寄り掛かってしまったのだ。
島津は三度速水の頭を押しのけたが、四度目でとうとう諦めた。
演目が終了し、目を覚ました時の速水の落胆といったら、言葉では言い表せない。
速水と島津と、双方がとてもしょっぱい気分になったものである。
「この後どうします?」
先輩三人に聞こえるように彦根は尋ねた。
前を歩いていた速水と田口が足を止めて振り返る。
それから、何となく顔を見合わせた。
時間的にはこれからパーティーが始まるような時刻だ。
オーケストラ部の打ち上げもこれからスタートで、実際に田口も誘われていた。
だが、速水がさっさと断ってしまっている。
田口の方も、部外者の自分がオケ部の打ち上げに参加することに躊躇を感じていたので、そこに異論は無かった。
異論があったのは田口を誘ったオーケストラ部員だろうが、そんなのは速水の知ったことではない。
人も街もこれからが盛り上がろうという時刻に、「じゃあまた」は味気無い気がするのは、四人とも同じだった。
島津がうんざりした顔で口を開く。
「すずめにでも行くか?」
「だな」
「ま、そんなとこでしょうね」
そうして、聖なる夜にすずめ四天王は揃って雀荘に足を運ぶことになったのである。
「あんたら、他に行くトコ無いの」
流石に雀荘とクリスマスは無縁だった。
「すずめ」の店内はいつも通りに寂れている。
雀荘のママが呆れた顔で言うのに、四人はそれぞれ渋い顔で返した。
席料を払うと、指定席になりつつあるいつものテーブルに着く。
「折角ですから、趣向を変えますか」
彦根がそう言い出したのは、洗牌をしている時だった。
田口が首を傾げる。
「趣向?」
「はい。何か罰ゲームとか付けません? クリスマスですし」
「何処にクリスマス関係あるんだよ」
「罰ゲームって何だ?」
彦根の提案に速水は笑った。
クリスマスだからと言って、特別ルールの麻雀をする意味が解らない。
罰ゲームの方に首を傾げたのは島津だったが、言いだしっぺの彦根の方にも具体的な罰ゲームの内容は思いついていなかった。
「さあ? 脱ぐとか?」
「男四人で脱ぎ麻雀やって楽しいか?」
想像しただけで薄ら寒い光景だ。
まして「すずめ」は暖房効率が悪く隙間風が吹く。実際に寒いだろう。
四人が揃って首を横に振り、恐ろしい想像図を脳裏から追い出した。
草臥れた表情の田口が口を開いた。
「勝った人が負けた人に命令するってのは?」
「ありきたりだなぁ」
「でもそれでいいんじゃないですか?」
「まあ妥当だろ。始めるぞ」
島津が掛け声と共にサイコロを転がし、ゲームが始まった。
途中経過にはいろいろあったが、結果だけ言えば一番勝ったのは速水だった。
「さあぁ、どうしよっかなあ?」
「…………あんまり無茶言うなよ、頼むから」
勝利者らしい、残酷な笑みを浮かべて速水は笑う。
田口はボソボソ呟きながら速水から視線を逸らした。
「予想通りだなぁ」
「寧ろ執念ですよねえ」
他人事の口調で島津と彦根が呟く。
自分が勝っただけでは、速水もここまで楽しそうにはしない。
田口が負けて、自分が田口に命令できる立場であるという事が実に楽しくて仕方がないのだ。
速水という男をよく知っている島津と彦根は、呆れ半分の溜息を吐いた。
田口がハラハラしながら審判を待つ。
によによと笑いながら考え込んでいた速水は、一つ心を決めると田口に向かってにっこりと笑った。
「お前、冬休みの間、俺の家政夫な」
「か、家政夫っ?!」
「『冬休みの間』ときたか」
「確かに期限決めませんでしたもんねぇ」
速水の言葉に田口は仰天し、それからぐったりと草臥れた顔になった。
田口の脳内では、速水の小間使いと化した己が、料理やら洗濯やら掃除やらに明け暮れる映像が展開している。偉そうにふんぞり返った速水付きだ。
何でも命令できる、というのがルールだったので、これもルール違反ではない。
冬休みの二週間程度なら、良心的な部類だろう。
しかし、田口が気付いていない速水の意図を、島津と彦根はしっかり読みとった。
「二週間べったりかよ…………」
「楽しい同棲生活ってヤツですね」
家政夫であるなら田口は速水の家に行かなければならない。
当然ながら、速水と一緒に過ごす時間が増える。
食事は一緒に摂ることになるだろうし、田口を泊めることも簡単だろう。
速水にとっては、楽しくなりそうなこと間違いなしだ。
「大掃除があるんだよなぁ~」
「お前、手伝う気無いだろうっ?!」
彦根と島津の視線の先で、田口が悲鳴じみた声を上げている。
おそらく田口は、冬休みが終わっても速水の意図に気付かないだろう。
速水が大いに満喫するだろう冬休みを想像し、邪魔しに行くべきかどうか、彦根は真剣に考え込んだ。
「…………俺は、馬に蹴られるのは願い下げだぞ」
彦根の眼差しに不穏なものを感じ、島津は草臥れた調子で呟いた。
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COMMENT
ニヤリ(^^)
こんばんわ。
私のところも今シーズン初めての本格的な積雪になりました。やっぱ12月なんですね~。急速にクリスマス気分になった今日、リクエストに答えていただきありがとうございました(^^)
戦利品は『田口家政夫』ときたか。将軍め抜け目がないのう。そんな命令をして、手が出せないじれったさに苦しむがいいのさ…。ふふふ。
リクエストと違ってないですよ♪クリスマスなのにつるんでいるしょうもないすずめ四天王が読めれば大満足です!(彦根は、裏でうまいことやってそうだけど)一足早いクリスマスプレゼントありがとうございました。
私のところも今シーズン初めての本格的な積雪になりました。やっぱ12月なんですね~。急速にクリスマス気分になった今日、リクエストに答えていただきありがとうございました(^^)
戦利品は『田口家政夫』ときたか。将軍め抜け目がないのう。そんな命令をして、手が出せないじれったさに苦しむがいいのさ…。ふふふ。
リクエストと違ってないですよ♪クリスマスなのにつるんでいるしょうもないすずめ四天王が読めれば大満足です!(彦根は、裏でうまいことやってそうだけど)一足早いクリスマスプレゼントありがとうございました。
Re:ニヤリ(^^)
いらっしゃいませ。改めて企画参加有難う御座いました!
寒いですよねぇ。泣けるくらい。ウチは雪あんまり降らない地方ですが、風が……寒いようぅ。
クリスマス、何とか間に合いました!
微妙に続きもの、というヘンな形になりましたけどねぇ。そこは申し訳ない。
将軍にカノジョがいないクリスマスってなさそうな気もするけど、「モテる故にメンドくさいから避けてるんだよっ!」と力説してみます。
きっと妙にベタベタひっついてくる将軍に、「実は甘えたなんだなぁ」で納得する行灯、という冬休みになるでしょう。ニブいよ。
ではでは、またのご来訪をお待ちしておりまーっす。
寒いですよねぇ。泣けるくらい。ウチは雪あんまり降らない地方ですが、風が……寒いようぅ。
クリスマス、何とか間に合いました!
微妙に続きもの、というヘンな形になりましたけどねぇ。そこは申し訳ない。
将軍にカノジョがいないクリスマスってなさそうな気もするけど、「モテる故にメンドくさいから避けてるんだよっ!」と力説してみます。
きっと妙にベタベタひっついてくる将軍に、「実は甘えたなんだなぁ」で納得する行灯、という冬休みになるでしょう。ニブいよ。
ではでは、またのご来訪をお待ちしておりまーっす。