何かに限らず、庭木向きの小型の常緑樹をコニファーと言うそうです。糸杉みたいなのとか。
植物名というよりはジャンル名みたいですねぇ……。
でも、クリスマスシーズンにこれがあったら、飾り付けたくなりそうですね。
花言葉は【不変】。一択なので選びようがありません。
大学の構内にあるかしら……?
植物名というよりはジャンル名みたいですねぇ……。
でも、クリスマスシーズンにこれがあったら、飾り付けたくなりそうですね。
花言葉は【不変】。一択なので選びようがありません。
大学の構内にあるかしら……?
「へぇ、ウチの大学、こんなコトやってたんだ」
「園芸クラブか、工業の連中か?」
「かもしれないですねぇ」
「よくやるよなー」
麻雀帰りの同期三人と彦根を加えたスズメ四天王は、大学構内で歓声を上げた。
アルコールが入っているので、声が近所迷惑になりかねない程大きかった。
大学の構内に、庭園のような造りになっている一角がある。
そこの木々がライトアップされているのだ。
素人くさく、電飾の密度が疎らであったりするが、手作りらしくてそれもいいかもしれない。
田口が何となく足を止めたのを皮切りに、四人で立ち止まってチカチカ光る木々を眺めた。
「クリスマスかぁ……先輩方、ご予定は?」
「合宿」
「俺も」
「何にも無いなぁ」
「うっわー、侘しいクリスマスばっかり」
島津、速水、田口と答えれば、彦根は呆れた声を出した。
途端に島津と速水がむっとした表情になる。
「そういうお前はどうなんだよ、え?」
「人の事言えるのか、あん?」
「ガラ悪いぞ、お前ら……」
速水と島津が早速絡みに行き、田口の諌め声も空しいばかり。
しかし、彦根はびくともしなかった。
「俺、うっかりデート入れると面倒なんで、迷ってるトコなんですよー」
「ぐわぁっ!」
「この野郎っ!」
「とことん生意気な奴だな……」
彦根の言い草に、速水と島津が唸った。田口も心底呆れてしまう。
首を絞めようとする速水と、それから逃げる彦根と、そんな二人を囃し立てる島津と、ぼーっと眺めている田口。
ある十二月の、空気の冴えた夜の事だった。
「まだやってんだな」
「そうだな」
「昔より派手じゃないか?」
大学構内の庭園は、今年も煌びやかに飾り付けられていた。
記憶にあるよりカラーバリエーションが豊富だった。
田口、速水、島津と三人揃ってポケットに手を突っ込んだまま、立ち止まってチカチカ光る木々を眺めていた。
「昔もこうしたことあったなぁ……」
ポツリ、と田口は呟いた。
田口の言葉に記憶が刺激され、島津と速水は横目で互いを見交わして、一つ息を吐いた。
「あん時ぁ彦根がいたけどな」
「俺達も大して変ってないって事だな」
確かに目出度くも何ともない光景だ。
それでも、そう悪くない光景だと田口は思って、ひっそりと笑ったのだった。
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