アレです、蔓系の観葉植物。斑入りの。
結構好きですけど、自分で世話した事ないなぁ……。
花言葉は【友情、永遠の愛、破綻の無い結婚、死んでも離れない】。
やっぱりここは「死んでも離れない」でしょう。そしてホラーを!
結構好きですけど、自分で世話した事ないなぁ……。
花言葉は【友情、永遠の愛、破綻の無い結婚、死んでも離れない】。
やっぱりここは「死んでも離れない」でしょう。そしてホラーを!
化粧は苦手だったが、回数を重ねるうちにそれなりに恰好が付くようになった。
尤も、何色もあるアイカラーを使いこなす域には至っていない。
はっきりと濃いアイラインと赤みのキツイ口紅だけで、夜の仕事風の女性が出来上がる。
鏡の中の自分の顔を見て、いつもの事ながら小夜は可笑しくなった。
顔を作るのなんて簡単なのだ。
それから、もう一度鏡の中を覗き込む。
表情を確かめて、キャラクターを確かめて、そうして小夜は歌姫になる。
自分の後ろには水落冴子が映っている。
「大丈夫。お酒も飲み過ぎません、ほんの一口。酔っ払いのセクハラもへっちゃらです」
記憶の中の冴子は、アルカイックスマイルだ。
鏡の中の冴子も微笑んでいる。
鮮やかなルージュに目を奪われたまま、零れる音を待つ心地。
結城に鍛えられたので歌唱力では冴子に引けも取らないけれど、あの微笑は身につかない。
「今夜も歌います」
歌う時はいつも、先輩歌姫の存在を感じる。
特に「ラプソディ」を歌う時は、今でも対峙して闘っているような気さえする。
取り憑かれている、という表現がぴったりだ。
今夜も、水落冴子を連れて、浜田小夜は歌うだろう。
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