世間はゴールデンウィークに突入ですが、まったくそのカンジがありません。
爽やかな晴れの日は少ないし、仕事はあるし。
カレンダー通りの生活をしている家族がいない、というのは日付感覚を麻痺させる要因になるなぁ。
何も考えていない連載第4回です。
そろそろ本気で締め方を考えないとマズイ。ヤバイ。
まあ、一頻り構い倒せばいいかなぁ……。
私信:43000ヒットのhana様
メッセージ受信しました。
ヒットおめでとう御座います&リクエスト有り難う。
気長にお待ち頂けると有難いです。
爽やかな晴れの日は少ないし、仕事はあるし。
カレンダー通りの生活をしている家族がいない、というのは日付感覚を麻痺させる要因になるなぁ。
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まあ、一頻り構い倒せばいいかなぁ……。
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「おや、速水部長。何時の間にそんな大きなお子さんを作ったんですか?」
高階病院長のセリフを笑えたのは田口だけだった。
言われた当人である速水は勿論だが、「お子さん」にされた島津もガックリ肩を落としてしまう。
何が悲しくて、同期の男の息子にならねばならないのだ。
「冗談は止めて下さい、病院長」
「貴方がたの話の方が冗談のように聞こえますよ?」
島津と田口で凡その説明をすると、高階病院長はわりとあっさり納得してくれた。
外見子供の島津の言うことが、理路整然としていた為だ。
話が通れば対応も早い。
「海外出張で疲れていたところでタチの悪い風邪を拾った、ということにして暫くお休みしますか。島津先生の有休は残ってましたよね」
「ええ」
高階の言葉に島津は頷いた。
医師という職業で、有給休暇を消化しきれる輩も珍しい。
田口でさえ有給休暇は残っているし、速水など残業と休日出勤の分の振替休暇すら消化出来ていない。
「暫くは田口先生か速水先生と一緒にいた方がいいでしょうねえ……」
二択ではあるが、結果は解りきっていた。
高階の視線は田口の上で留まり、速水もニヤニヤ笑いながら田口を見る。
多忙な上に家事能力の欠如している速水が、仮令中身が中年男だろうと、子供と一緒に暮らせるワケがないのだ。
田口は諦めたように溜息を一つ吐いた。
「じゃあそういうことで」
と言いつつ、病院長は携帯電話を取り出した。
その構え方から、カメラを起動していることが解る。
島津はぎょっとして、ソファの上で縮こまった。
「何で写真撮るんですかっ?!」
「こんな面白いもの、撮っておかないでどうするんですか?」
「ぶっ」
「くくっ」
島津の抗議に、高階はそう平然と口にする。
流石、「東城大娯楽探究会」の名誉会長だ。
速水と田口が揃って噴き出した。
シャッター音が素早く繰り返される。
最近の携帯カメラは、ちゃちいデジタルカメラより高性能だ。
「島津先生も昔は可愛かったんですねぇ」
いろいろと腹の立つ発言だが、病院長を殴るワケにもいかない。
八つ当たりに、島津は腹を抱えて笑う速水の爪先を踏みつけたのだった。
もう一人、「東城大娯楽探究会」の影の支配者・藤原看護師の反応もまた一興だった。
田口が島津の面倒を見ることになった以上、藤原の協力は不可欠である。
その為、事情を説明しに不定愁訴外来へ来たワケなのだが。
「若返りのお酒…………?」
島津と田口の説明に、藤原が小さく呟いたのはその言葉だった。
目が底光りしていた。
寒気を催させるその目に、田口と島津は不定愁訴外来のソファの上で身動ぎする。
仕事が始まるのでオレンジ新棟へ行ってしまった速水は幸運だと言えた。
ヒシヒシと恐怖を募らせる田口と島津に気付いているのかいないのか、藤原はにっこりと笑った。
「災難でしたわね、島津先生。勿論、私も協力させて頂きますよ」
「え、ええ」
「田口先生も。何かあったら相談に乗りますからね」
「は、はい」
藤原は協力を約束してくれた。心強いことである。
その筈なのだが、今一つイヤな予感が拭えない。
島津と田口が見詰める先で、藤原は物憂げな溜息を吐いた。
「それにしても不思議なことってあるものですね。そのお酒、一体何が入ってたのかしら…………?」
独り言を装っているが、その実「調べろ」のご下命だ。
そのくらいの空気は読める。
大学病院で生き残るには、空気を読むのは必須のスキルだろう。
「藤原さん、興味おありですか? 若返りの薬……」
田口の問いは、
「女は、何時でも若くありたいものですわ」
という完璧な笑みで迎えられた。
あんたただでさえ年齢不詳なのに、とか。
これで若返りの薬飲んだら妖怪だよな、とか。
島津も田口も、そういうことは言わないでおいた。
やはり空気を読む能力は必要不可欠なのである。
高階病院長のセリフを笑えたのは田口だけだった。
言われた当人である速水は勿論だが、「お子さん」にされた島津もガックリ肩を落としてしまう。
何が悲しくて、同期の男の息子にならねばならないのだ。
「冗談は止めて下さい、病院長」
「貴方がたの話の方が冗談のように聞こえますよ?」
島津と田口で凡その説明をすると、高階病院長はわりとあっさり納得してくれた。
外見子供の島津の言うことが、理路整然としていた為だ。
話が通れば対応も早い。
「海外出張で疲れていたところでタチの悪い風邪を拾った、ということにして暫くお休みしますか。島津先生の有休は残ってましたよね」
「ええ」
高階の言葉に島津は頷いた。
医師という職業で、有給休暇を消化しきれる輩も珍しい。
田口でさえ有給休暇は残っているし、速水など残業と休日出勤の分の振替休暇すら消化出来ていない。
「暫くは田口先生か速水先生と一緒にいた方がいいでしょうねえ……」
二択ではあるが、結果は解りきっていた。
高階の視線は田口の上で留まり、速水もニヤニヤ笑いながら田口を見る。
多忙な上に家事能力の欠如している速水が、仮令中身が中年男だろうと、子供と一緒に暮らせるワケがないのだ。
田口は諦めたように溜息を一つ吐いた。
「じゃあそういうことで」
と言いつつ、病院長は携帯電話を取り出した。
その構え方から、カメラを起動していることが解る。
島津はぎょっとして、ソファの上で縮こまった。
「何で写真撮るんですかっ?!」
「こんな面白いもの、撮っておかないでどうするんですか?」
「ぶっ」
「くくっ」
島津の抗議に、高階はそう平然と口にする。
流石、「東城大娯楽探究会」の名誉会長だ。
速水と田口が揃って噴き出した。
シャッター音が素早く繰り返される。
最近の携帯カメラは、ちゃちいデジタルカメラより高性能だ。
「島津先生も昔は可愛かったんですねぇ」
いろいろと腹の立つ発言だが、病院長を殴るワケにもいかない。
八つ当たりに、島津は腹を抱えて笑う速水の爪先を踏みつけたのだった。
もう一人、「東城大娯楽探究会」の影の支配者・藤原看護師の反応もまた一興だった。
田口が島津の面倒を見ることになった以上、藤原の協力は不可欠である。
その為、事情を説明しに不定愁訴外来へ来たワケなのだが。
「若返りのお酒…………?」
島津と田口の説明に、藤原が小さく呟いたのはその言葉だった。
目が底光りしていた。
寒気を催させるその目に、田口と島津は不定愁訴外来のソファの上で身動ぎする。
仕事が始まるのでオレンジ新棟へ行ってしまった速水は幸運だと言えた。
ヒシヒシと恐怖を募らせる田口と島津に気付いているのかいないのか、藤原はにっこりと笑った。
「災難でしたわね、島津先生。勿論、私も協力させて頂きますよ」
「え、ええ」
「田口先生も。何かあったら相談に乗りますからね」
「は、はい」
藤原は協力を約束してくれた。心強いことである。
その筈なのだが、今一つイヤな予感が拭えない。
島津と田口が見詰める先で、藤原は物憂げな溜息を吐いた。
「それにしても不思議なことってあるものですね。そのお酒、一体何が入ってたのかしら…………?」
独り言を装っているが、その実「調べろ」のご下命だ。
そのくらいの空気は読める。
大学病院で生き残るには、空気を読むのは必須のスキルだろう。
「藤原さん、興味おありですか? 若返りの薬……」
田口の問いは、
「女は、何時でも若くありたいものですわ」
という完璧な笑みで迎えられた。
あんたただでさえ年齢不詳なのに、とか。
これで若返りの薬飲んだら妖怪だよな、とか。
島津も田口も、そういうことは言わないでおいた。
やはり空気を読む能力は必要不可欠なのである。
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