childhood again・６

唐突ですがラストにします。
うん、尻切れトンボもいいとこねっ☆
これ以上はどうすればいいか解らないんですものさ……。
やっぱり何も考えずに始めるモンじゃないと痛感しました。
これが終わったら、今度はキリリクと五月の企画っと。


5月2日にイベント一般参加してました。
帽子持ってきゃよかった……暑いの何のって。
北関東の6：00と東京の10：00の気温の差ってデカいよ。
狙っていたものは大体買えましたし、今回は全体的にアタリだったのでお買い物成功したと思います。
で、財布が寒いのね……5月まだ始まったばかりなのに。ガソリン代がじわじわ値上がっているのもね、財布に響くだろうな。

夕食の時もまた一苦労だった。
何せ、田口の家には成人男性用の箸しかない。
箸を使うことは出来たが、子供の手には長くて太めの箸は使い難くて仕方がなかった。
結局、田口が出してきたスプーンとフォークで何とかすることになった。

「それとも『はい、あーん』ってしようか？」
「冗談じゃねえ！」

田口にさえ、すっかり遊ばれている状況である。
自分がこんな情けない状況に陥る日が来るとは島津は思わなかった。
挙句、

「子供にはダメだろう」

と、風呂上がりのビールを見せびらかされる始末である。
陰険、というのは田口のような奴を言うのかと、島津はしみじみ思ったのだった。



子供になって唯一よかったと思ったのは、布団が大きく感じられたことだった。
余裕たっぷりである。
枕に頭を付けた途端、腰のあたりから布団に溶けるように眠気が訪れる。
何だかんだで疲れていたらしい。

「先寝る、ぞ…………」

明かりも消えないうちにぼやける声で島津は呟いた。
頭を撫でられた気がしたが、気のせいだと言えばそれまでの曖昧な感触だった。



「起きろ、このっ！！」
「ぐぇっ！！」

人を蹴りで起こすような男に、島津は三人ほど心当たりがあった。
そのうちの一人、後輩の合気道部員は除外。
二人目、同期の帰宅部員は島津の目の前でやはり眠い目を擦っているから、彼も除外。
見上げてみれば、残りの一人……同期の剣道部員だ……が仁王立ちで島津を見下ろしていた。

「何で一緒に寝てんだ、てめぇら…………っ」

夜勤で睡眠時間が少なかったのか、朝っぱらから速水のテンションはおかしい。
再度振り上げられた足が島津めがけて下りてくる前に、島津は身体を起こした。
その時になって気付く。
脱皮したように破れた子供用パジャマトレーナー。
島津の身体は元に戻っていた。

「…………戻った！」
「え？」

島津は思わず歓声を上げた。
田口が目を見開いて身体を起こす。
田口はまじまじと島津を見ると、心底残念そうな顔になった。

「ちっちゃい島津、可愛かったのに…………」
「「ああっ？！」」
「…………残念だな、島津で遊べなくなって」

田口の呟きに目くじらを立てたのは、島津と速水と同時だ。
だが、その理由は天と地ほどに違うだろう。
田口の呟きの不穏さに、島津はげっそりした気分になった。
つくづく元に戻れてよかったと思う。

「田口！　お前まさか島津と何かあったんじゃないだろうなっ？！」
「何かって？　ああ、一緒に風呂入ったな」
「何だとぉっ？！」

的外れに怒り出す速水を、田口は適当にからかっている。
朝から賑やかな二人を放置して、島津はのそのそと服を着込んだ。
酒盛り前に着用していた成人の服が、きちんと身体に合う。
その事実にしみじみと感動する島津だった。



「おや、元に戻ったんですか？」
「それはそれは…………よかったですこと」

元に戻った事を報告に言った時の、東城大病院ツートップの表情。
それを目にした時、島津は心底真剣に元に戻れてよかったと実感したのだった。