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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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昨日の続きのようなそうでないような。
同期三人で宴会で遊ばれる話です。
ウケ狙いですが、ウケるかどうかは解らない。
……少なくとも脳内妄想は楽しいんだけどな。

意外と長くなりそうなので、また続きものに投入です。


一年目の新参者は、割と優先して宴会に出席させられた。
つまりは顔見世もあるし、結局留守居には役立たずという理由もあろう。
しかし、剣道部の合宿中の宴会と何も変わらないなと速水は思った。
医者だろうが看護婦だろうが学生だろうが、酒が入れば大差ないらしい。
プログラム通りの余興は終了し、後はノリと勢いだけが勝負の無礼講に突入しかかっていた。

「おい、速水、何か唄えや」

背中からどつかれて、速水は慌てて腕を伸ばしてビールの入った紙コップを水平に保った。
それが巧くやれるほどには、まだ酔っていないらしい。
ビールの行方を見届けた速水は、恨みをこめて背後を見た。
予想通り、剣道部の先輩だった前園がそこにいた。

「前園先輩…………」
「何か唄ってこいよ。合宿でよくやったろ?」
「あれは別でしょう」

剣道部の合宿で、一年時には立て続けに歌わされた覚えがある。罰杯付きでうっかりすれば悲惨なメに遭うやつだった。
だが、何でそれを社会人になってまでやらねばならんのだ。
速水が不満を表情に出すと、前園はにやりと笑った。

「みなさーんっ、新入りの速水くんが一曲歌いまーっす」

速水の返事も聞かず、大声で宣言してしまう。
やんややんやの喝采が周囲の酔っ払いどもから上がり……速水の逃げ場は急速に減っていった。
楽しそうに笑う酔っ払いどもの中には、同期の島津や田口が混ざっている。

「他人事だと思いやがってぇ……」
「一人がヤだったら、誰か一緒に歌ってもいいぞ」

唸った速水の心のうちを読んだのか、いいタイミングで前園が言葉を添えた。
その一言で、速水の決心が固まる。
速水が立ち上がると、期待の拍手が鳴り出した。
その拍手の中を進み、島津の腕を掴み、田口の首に腕を回して頭から捕獲する。

「え?」
「おい、速水っ?!」

島津の方が察しがいいのか、焦る声が大きかった。
速水は自分の両サイドにいる二人を力づくでずるずると連行する。
ステージ代わりのスペースに立って、速水は二人を捕まえたまま宣言した。

「外科新人速水、そんでこっちが放射線科の島津、神経内科の田口。すずめ常連トリオで歌います」
「ええっ?!」

田口が上げる素っ頓狂な声を、速水はキレイに無視してやった。
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