14000ヒットの初さまからのリクエストです。ヒットしてから保留状態でした。
初さま、改めてヒットおめでとう&リクエスト有難う御座います。
さてリク内容は「100質の084、受側からのお誘い」だそうで。
コメディとシリアス、両方考えたんですが、元々の100質がコメディなので今回は明るい方で行きます。
問題はね……行灯先生がちっとも初心じゃないって点。
よく言って小悪魔、悪い言い方すりゃ非道い人なんだけど……それでもいい?
と、取り敢えず読んでみて下さい。
桃色注意報は微妙です。出すか出さないか……うん、微妙なレベルだと思って下さい。
初さま、改めてヒットおめでとう&リクエスト有難う御座います。
さてリク内容は「100質の084、受側からのお誘い」だそうで。
コメディとシリアス、両方考えたんですが、元々の100質がコメディなので今回は明るい方で行きます。
問題はね……行灯先生がちっとも初心じゃないって点。
よく言って小悪魔、悪い言い方すりゃ非道い人なんだけど……それでもいい?
と、取り敢えず読んでみて下さい。
桃色注意報は微妙です。出すか出さないか……うん、微妙なレベルだと思って下さい。
速水の自宅には、買い置きしているチュッパチャプスの箱がある。
最初は仕事中の糖分補給とストレス解消に舐めていたキャンディだが、すっかり癖になったらしい。立派なチュッパチャプス中毒である。
「あれ?」
その箱が、所定の場所にないのに気付いて速水は首を傾げた。
周辺を見回すけど、やはりカラフルなボール紙の箱は見当たらない。
辺り構わず引っ繰り返すほどの熱心さは無く、速水は眉を寄せたままどっかりとソファに腰を下ろした。腕を背もたれに上げて偉そうにふんぞり返る。
「ん? 機嫌悪い?」
風呂上りに速水の背後を通った田口が、速水の表情に気付いて小さく首を傾げた。
首を反らせて田口を見上げながら、速水は不機嫌なまま呟いた。
「飴がねえんだよ」
「あ…………」
田口の反応は微妙だった。同情は出来ないけれど、呆れては悪いというところだろう。
それも仕方がないことだとは速水も重々承知している。飴が無いくらいで機嫌を悪くするのも大人げない。
が、無いと何となくつまらないものだ。
ちょっと腐った気分でいると、田口が速水の隣に座った。ソファに斜めに腰かけて、速水の横顔を見つめている。
そして田口の方から身を乗り出してキスを寄越した。
小さなキスを何度もしてくれる。
「どうした?」
「口寂しいなら、こうしてやる。それとも俺じゃ、キャンディの代わりにならないか?」
言いながら、尚も田口はキスを寄越す。
田口の手は速水の太腿を外から内へと撫で、指先で股間の膨らみを擽り始める。
その色めいた仕草にたちまち誘われた。
「何? お前キャンディに妬いてんの?」
「んー、そうかも……」
速水がからかうように言うと、田口は曖昧に頷いた。
ソファに膝立ちになって田口は本格的に身を乗り出し、速水の唇だけではなく瞼にキスをしたり耳朶を甘く噛んだりし始めた。速水の太腿に自分の股間を擦りつけて誘い、手はジッパーのあたりを上へ下へと辿っている。
最早、キャンディはどうでもよくなった。
「キャンディ代わりに、隅から隅までしゃぶってやるよ」
速水がそう宣言して田口をソファに組み敷くと、田口は笑って速水の首に腕を回した。
数日後のことだ。
いつもの家のいつもの場所に、速水はチュッパチャプスの箱を見つけた。
中身もちゃんと入っている。
速水が自分で買ってきた覚えがないから、買ってきたのは田口だろう。いくらなんでも、買ってきたことを忘れるほどに耄碌していない。
そこでふと、数日前に田口と過ごした夜のことを思い出した。
思えば、田口がああ積極的に出るのは珍しい。
田口の方から行為を誘うのは、アルコールで羞恥心がぶっ飛んでいる時がほとんどだ。あの時はそこまでは飲んでいなかった。
釈然としないでいると、あの時と同じように風呂上りの田口が傍を通った。
「よお。コレ買ったのお前?」
「ああ、うん」
チュッパチャプスの箱を差しながら田口に声を掛けると、田口は一つ頷いた。
「サンキュ」
「いや、元々キャンディ無かったの俺のせいだし」
「は?」
礼を言うと、田口から意外な言葉が返ってきた。
思わず田口を見上げてまじまじと表情を伺ってしまう。
田口は苦笑を浮かべた。
「外来で、子供たちに配るお菓子が切れててさ。気付いたのが遅かったから買いに行く暇もなくて、悪いとは思ったけど、お前のキャンディ失敬した。後で足しとこうと思ったんだけど、ウッカリ忘れてて……お前の機嫌が悪いから焦った」
「お前まさか、そんな理由でセックス誘ったのか?」
唖然とした速水に対し、田口はにっこりと笑った。
速水はがっくりと肩を落として溜息を吐いた。
キャンディ如きで色仕掛けに出る田口もどうかしているが、まんまとハマって誤魔化された自分は大概阿呆ではなかろうか。
昔から田口には、いろいろな場面で一杯喰わされてきたけれど、これだけ付き合ってもまだ田口には敵わないらしい。
怒る気も湧いてこなかった。
速水が項垂れていると、田口はすとんと速水の隣に座った。
箱の中からキャンディを一本取り上げて包装を剥く。
丸いキャンディの頭で速水の口元を突いた。
「はーやみっ。コレあげるから機嫌直して? な?」
子供のような口調で、悪戯っぽい表情で田口は言う。
それが可愛いと思った時点で、再び速水の負けだった。
田口が差し出した飴を口に咥えながら、せめて今夜は田口を散々啼かせてやろうと心に決めたのだった。
最初は仕事中の糖分補給とストレス解消に舐めていたキャンディだが、すっかり癖になったらしい。立派なチュッパチャプス中毒である。
「あれ?」
その箱が、所定の場所にないのに気付いて速水は首を傾げた。
周辺を見回すけど、やはりカラフルなボール紙の箱は見当たらない。
辺り構わず引っ繰り返すほどの熱心さは無く、速水は眉を寄せたままどっかりとソファに腰を下ろした。腕を背もたれに上げて偉そうにふんぞり返る。
「ん? 機嫌悪い?」
風呂上りに速水の背後を通った田口が、速水の表情に気付いて小さく首を傾げた。
首を反らせて田口を見上げながら、速水は不機嫌なまま呟いた。
「飴がねえんだよ」
「あ…………」
田口の反応は微妙だった。同情は出来ないけれど、呆れては悪いというところだろう。
それも仕方がないことだとは速水も重々承知している。飴が無いくらいで機嫌を悪くするのも大人げない。
が、無いと何となくつまらないものだ。
ちょっと腐った気分でいると、田口が速水の隣に座った。ソファに斜めに腰かけて、速水の横顔を見つめている。
そして田口の方から身を乗り出してキスを寄越した。
小さなキスを何度もしてくれる。
「どうした?」
「口寂しいなら、こうしてやる。それとも俺じゃ、キャンディの代わりにならないか?」
言いながら、尚も田口はキスを寄越す。
田口の手は速水の太腿を外から内へと撫で、指先で股間の膨らみを擽り始める。
その色めいた仕草にたちまち誘われた。
「何? お前キャンディに妬いてんの?」
「んー、そうかも……」
速水がからかうように言うと、田口は曖昧に頷いた。
ソファに膝立ちになって田口は本格的に身を乗り出し、速水の唇だけではなく瞼にキスをしたり耳朶を甘く噛んだりし始めた。速水の太腿に自分の股間を擦りつけて誘い、手はジッパーのあたりを上へ下へと辿っている。
最早、キャンディはどうでもよくなった。
「キャンディ代わりに、隅から隅までしゃぶってやるよ」
速水がそう宣言して田口をソファに組み敷くと、田口は笑って速水の首に腕を回した。
数日後のことだ。
いつもの家のいつもの場所に、速水はチュッパチャプスの箱を見つけた。
中身もちゃんと入っている。
速水が自分で買ってきた覚えがないから、買ってきたのは田口だろう。いくらなんでも、買ってきたことを忘れるほどに耄碌していない。
そこでふと、数日前に田口と過ごした夜のことを思い出した。
思えば、田口がああ積極的に出るのは珍しい。
田口の方から行為を誘うのは、アルコールで羞恥心がぶっ飛んでいる時がほとんどだ。あの時はそこまでは飲んでいなかった。
釈然としないでいると、あの時と同じように風呂上りの田口が傍を通った。
「よお。コレ買ったのお前?」
「ああ、うん」
チュッパチャプスの箱を差しながら田口に声を掛けると、田口は一つ頷いた。
「サンキュ」
「いや、元々キャンディ無かったの俺のせいだし」
「は?」
礼を言うと、田口から意外な言葉が返ってきた。
思わず田口を見上げてまじまじと表情を伺ってしまう。
田口は苦笑を浮かべた。
「外来で、子供たちに配るお菓子が切れててさ。気付いたのが遅かったから買いに行く暇もなくて、悪いとは思ったけど、お前のキャンディ失敬した。後で足しとこうと思ったんだけど、ウッカリ忘れてて……お前の機嫌が悪いから焦った」
「お前まさか、そんな理由でセックス誘ったのか?」
唖然とした速水に対し、田口はにっこりと笑った。
速水はがっくりと肩を落として溜息を吐いた。
キャンディ如きで色仕掛けに出る田口もどうかしているが、まんまとハマって誤魔化された自分は大概阿呆ではなかろうか。
昔から田口には、いろいろな場面で一杯喰わされてきたけれど、これだけ付き合ってもまだ田口には敵わないらしい。
怒る気も湧いてこなかった。
速水が項垂れていると、田口はすとんと速水の隣に座った。
箱の中からキャンディを一本取り上げて包装を剥く。
丸いキャンディの頭で速水の口元を突いた。
「はーやみっ。コレあげるから機嫌直して? な?」
子供のような口調で、悪戯っぽい表情で田口は言う。
それが可愛いと思った時点で、再び速水の負けだった。
田口が差し出した飴を口に咥えながら、せめて今夜は田口を散々啼かせてやろうと心に決めたのだった。
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