横浜開港記念日

早速、本日の記念日から参りましょう。

長崎開港記念日/横浜開港記念日

いきなりどうしてくれよう其の1です。
仕方ないので、開港記念日ノータッチです。横浜ってだけです。


カウンター企画へのご参加有り難う御座います。
ゼロだったら黙ってなかったことにするしかないなぁと思ってました。
兎に角ゼロは免れた。
千葉県銘菓情報下さったU様、有り難う御座います！
参考にさせて頂きます。千葉県民の日は15日ですよ～。

「お、あれ美味そうじゃね？」
「お前また食うの？　まだ食うの？」
「いーだろ、折角中華街に来てんだから」

呆れる田口を置いて、速水は中華料理屋の軒先に走っていった。
店頭で肉まんが湯気を挙げ、道行く観光客を誘惑している。
そして先程から、速水は誘惑に負けっ放しだった。

「ただいま」
「あれ、俺の分は？」

肉まんを手に戻った速水に、田口が首を傾げた。
首を傾げた田口に、速水の方も首を傾げてしまった。

「お前、食うの？　腹いっぱいとか言ってなかったか？」
「そりゃいっぱいだけど…………」

速水が尋ねると、田口は口を尖らせて余所を向いた。
腹いっぱいではあるらしい。
ちらり、と上目遣いで速水を見ると、拗ねた顔で田口は訴えた。

「お前一人で食べてるのって、ズルイ」

……この時の、のたうち回りたい速水の気持ちを、田口は一生理解しないだろう。
同い年の男を可愛いと思う日が来るなんて、速水も予想だにしなかった。
緩む口元をどうにかカッコつく範囲に留めながら、速水は肉まんを二つにちぎった。
中身の具が零れかかるのを、手首を返して巧く掬い上げる。
小さめの方を田口に手渡した。

「半分ずつにすっか」

半分ずつ、と言っても手で切ったので正確ではないのだが。
差し出された肉まんを両手でそっと取って、田口ははにかむように笑った。

「サンキュ」

田口のその顔に、やはりのたうち回りたくなったのは速水だけの秘密だ。