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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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5回目になっちゃったよ……。
出来れば5月中に決着付けたいな。
野望を抱くのは自由うぅ~~♪

サイトの方、2009年2月と3月の分をファイル移動完了しました。
「インビジブル彼女」とか、去年のとっても残念なバレンタインねたとかです。
単調な作業なのでホンっトに眠くなるわぁ。

カラオケが途切れた瞬間、完全で満ち足りた世界も終わりを告げた。
見つめ合っていた瞳に羞恥心が戻ってくる。

「あ…………」
「っ、」

田口が小さく声を上げた。
田口の頬に触れていた手を、速水は慌てて引っ込めた。
空気がぎこちなさを孕む。
手放してしまった一体感を、二人とも残念に思った。



本番が間近になってくると、速水も田口とばかり練習しているワケにはいかなくなった。
当日、速水の隣りで歌うのは田口ではないのだ。
救命救急センターの者たちの協力もあって、速水は何とか浜田看護師との練習時間を確保している。

全ての山に登り
全ての小川を渡って
全ての虹を追いなさい
貴方の夢に辿りつくまで

浜田の歌は、練習ですら聴き応えがあった。
隣りで歌っている速水が、ついうっかり聞き惚れるほどだ。

「はーやみせんせー?」
「あ、悪い悪い」

デュエットの歌い出しが遅れた速水を、如月がねめつける。
オレンジ歌劇団の支配人兼演出家が如月なのだ。
年齢差も階級差も蹴散らして、如月は速水に多大な注文を付けている。
速水は唯々諾々と従うのみだった。

「あ、じゃあもう一度、行きましょうか」
「悪いな、浜田」
「そんなことないです」

浜田の方が如月の態度にハラハラしているようで、場を取り繕うように続きを促した。
今度は速水も歌うことに意識を集中させる。

全ての山に登り
全ての小川を渡って
全ての虹を追いなさい
貴方の夢に辿りつくまで

浜田は上手い。
当たり前だが、田口よりもずっとずっと上手いのだ。
それなのに、何度浜田と歌っても、田口と歌った時のような恍惚感は訪れなかった。
世界が物足りない。
二人の力量が似たり寄ったりだったからこそ、上手くハモれたということなのだろう。
低いレベルで満足している、と言われればその通りかもしれなかった。
だが、あの幸せを一度知ってしまうと、そこを目指したくなる。
不満を燻らせながら速水は一曲を歌い終え、途端に長く溜息を吐く。

「速水せんせー、いちいちタメ息付かなぁいっ!」

そんな速水の横顔を、浜田が意外なほど怖い顔をして見ていた。
如月に叱られている速水は、浜田の視線には気付かなかった。
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