46000ヒットのtsutakoさまリクエストです。
tsutakoさま、有り難う御座います!
リク内容は「黒本、手術断絶宣言絡みの話」だったのですが。
……何か違うものが出来上がりました、よ?
黒本じゃなくて「ひかり」の方になったよ?
tsutakoさまが期待してるのは普通こーゆうのじゃないよなぁ? 違うよなぁ?
そう首を傾げつつも、強行してみる。
これしか形になりそうになかったんだ……ゴメンなさい。
ところで、またカウンターのキリ番指定を間違ったようです。46666がスルーになっています。
心当たりのある方、どうぞご一報下さいませ。
tsutakoさま、有り難う御座います!
リク内容は「黒本、手術断絶宣言絡みの話」だったのですが。
……何か違うものが出来上がりました、よ?
黒本じゃなくて「ひかり」の方になったよ?
tsutakoさまが期待してるのは普通こーゆうのじゃないよなぁ? 違うよなぁ?
そう首を傾げつつも、強行してみる。
これしか形になりそうになかったんだ……ゴメンなさい。
ところで、またカウンターのキリ番指定を間違ったようです。46666がスルーになっています。
心当たりのある方、どうぞご一報下さいませ。
金輪際オペ室に近付かないと宣言した田口は、言葉通りオペ室に近寄らなくなった。
オペ室が絡む、ありとあらゆる実習をサボった。
一方、外科絡みとなると途端に張り切るのが速水だった。
血の匂いにテンションが上がる、野生の肉食獣のような男だ。
手術見学の機会は決して逃さず、特等席でじっくり観察した。
そして、一つの楽しみを見出したのだ。
「今日の手術はスゴかったぞぉ」
「五月蠅い、言うな」
「救急搬送で大腿骨開放骨折、見事に突き出しててさぁ」
「黙れって!」
にやにやと速水は笑いながら、本日見学した手術の様子を報告する。
聞かされる田口の方は、両手で耳を塞いで首を横に振った。
「聞けって」
「イヤだっ!」
田口の手首を掴んで耳を開けさせると、速水はくどくどと手術の様子を語り始めた。
血がどうの、血管がどうの、骨がどうの。
骨にボルトを埋める器械の音が重いだとか。
血まみれのガーゼの山が出来たとか。
そういうことを、微に入り細に入り語るのである。
田口は最早涙目だった。
「お前、何の嫌がらせだよっ!」
「え――? 実習に出ない行灯クンの、せめてもの学習の役に立てばいいなぁっていう、親切心じゃないか」
「嘘吐け、バカ速水っ!」
速水の空々しい口調に、田口は悲鳴じみた声を上げる。
速水の所業が親切の表れだとしたら、速水は親切の解釈を間違っているとしか言いようがない。
田口の首を抱え込んで、更に血みどろの描写を展開しようとする速水。
その速水から距離を取ろうと必死になる田口。
そんな二人を前に、島津は長い長い溜息を吐いた。
「速水、それぐらいにしとけ」
「島津!」
「あんだよ? 邪魔すんなって」
島津の言葉に田口は当然ながら目を輝かせ、速水は不機嫌そうな顔になった。
島津は再び溜息を吐く。
それから、うんざりした口調で速水に言った。
「周りを見ろ、周り」
「ん?」
言われるままに、速水は周囲を見回した。
速水に頭を抱えられたままの田口も周囲を見渡す。
何人かと目が合ったが、一睨みが返ってくる。
島津が重々しく告げた。
「学校ん中とか、『すずめ』じゃないんだぞ」
現在の場所は、ごく普通のチェーン系居酒屋内だった。
速水と田口は揃って気拙そうな表情になる。
大学や、東城大御用達の「すずめ」なら、手術の話など幾らでも出来るだろうが、ここは違うのだ。
周囲にいるのは極当たり前の客で、血みどろな会話を聞き流せない人もいる筈である。
公共の場での礼儀を忘れるほど、速水も田口もまだ酔っていなかった。
徐に座り直すと、二人は揃って
「悪ぃ」
「ごめん」
と、小さく島津に詫びた。
島津は一つ頷いて、飲みかけのビールをぐいっと空けた。
オペ室が絡む、ありとあらゆる実習をサボった。
一方、外科絡みとなると途端に張り切るのが速水だった。
血の匂いにテンションが上がる、野生の肉食獣のような男だ。
手術見学の機会は決して逃さず、特等席でじっくり観察した。
そして、一つの楽しみを見出したのだ。
「今日の手術はスゴかったぞぉ」
「五月蠅い、言うな」
「救急搬送で大腿骨開放骨折、見事に突き出しててさぁ」
「黙れって!」
にやにやと速水は笑いながら、本日見学した手術の様子を報告する。
聞かされる田口の方は、両手で耳を塞いで首を横に振った。
「聞けって」
「イヤだっ!」
田口の手首を掴んで耳を開けさせると、速水はくどくどと手術の様子を語り始めた。
血がどうの、血管がどうの、骨がどうの。
骨にボルトを埋める器械の音が重いだとか。
血まみれのガーゼの山が出来たとか。
そういうことを、微に入り細に入り語るのである。
田口は最早涙目だった。
「お前、何の嫌がらせだよっ!」
「え――? 実習に出ない行灯クンの、せめてもの学習の役に立てばいいなぁっていう、親切心じゃないか」
「嘘吐け、バカ速水っ!」
速水の空々しい口調に、田口は悲鳴じみた声を上げる。
速水の所業が親切の表れだとしたら、速水は親切の解釈を間違っているとしか言いようがない。
田口の首を抱え込んで、更に血みどろの描写を展開しようとする速水。
その速水から距離を取ろうと必死になる田口。
そんな二人を前に、島津は長い長い溜息を吐いた。
「速水、それぐらいにしとけ」
「島津!」
「あんだよ? 邪魔すんなって」
島津の言葉に田口は当然ながら目を輝かせ、速水は不機嫌そうな顔になった。
島津は再び溜息を吐く。
それから、うんざりした口調で速水に言った。
「周りを見ろ、周り」
「ん?」
言われるままに、速水は周囲を見回した。
速水に頭を抱えられたままの田口も周囲を見渡す。
何人かと目が合ったが、一睨みが返ってくる。
島津が重々しく告げた。
「学校ん中とか、『すずめ』じゃないんだぞ」
現在の場所は、ごく普通のチェーン系居酒屋内だった。
速水と田口は揃って気拙そうな表情になる。
大学や、東城大御用達の「すずめ」なら、手術の話など幾らでも出来るだろうが、ここは違うのだ。
周囲にいるのは極当たり前の客で、血みどろな会話を聞き流せない人もいる筈である。
公共の場での礼儀を忘れるほど、速水も田口もまだ酔っていなかった。
徐に座り直すと、二人は揃って
「悪ぃ」
「ごめん」
と、小さく島津に詫びた。
島津は一つ頷いて、飲みかけのビールをぐいっと空けた。
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