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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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さて、本日の記念日は。

歯の衛生デー/虫の日/ローメンの日/蒸しパンの日/侵略による罪のない幼児犠牲者の国際デー

わっかりやすい語呂合わせですね。
そんなワケで虫の日ですが、ネタにするのは黒いアレです。器まで齧ると古来より恐れられてきた、アレです。
行灯先生は苦手そうですね。てか多分、アレの速さについていけずに見失ってしまうと思う。
将軍は嬉々として討ち取る。一瞬の勝負!
魔人はすっごい渋い顔をする。
女性陣も大概平気そうなイメージです。ヴァイオレットくらいかなぁ、苦手そうな人。
そんなワケで、オレンジ1階の皆様。

「げっ」

給湯室の奥、更にその隅っこ。
黒い虫を見てしまった佐藤は喉の奥で唸った。
こちらが硬直してしまうと、相手も動かない。
このまま気配を殺し、刺激しないように下がるべきか……。

「佐藤先生、どうしたんですか?」

一歩下がりかけた佐藤の背後から、如月がひょっこり顔を出した。
給湯室の入口で立ち尽くしている佐藤を不審に思ったのだ。
佐藤は静かに腕を上げ、壁にある黒いシミを指差した。

「アレ」
「ゴキブリっ?!」

如月が頓狂な声を上げた。
空気がざわめく。
野生種の本能なのか、黒い虫は素早く動いた。

「げっ」
「やっ!」

選りにも選って、佐藤と如月が立つ方向を突破しようとしたのだ。
佐藤は咄嗟に壁際にある冷蔵庫にくっつき、如月も反対の壁の方に避ける。
給湯室の外はナースセンターだ。
ばしん、と大きな音がした。

「いちいち騒がない」

冷たい声で言ったのは花房看護師長だ。
仁王立ちである。
手にしていたバインダーを机に投げ出すと、花房は机に寄り掛かってサンダルを脱いだ。
サンダルの裏をしげしげと眺めている。

「仕留めたんですか?」
「ええ。森野、ティッシュ取って」
「どうぞ」

佐藤が尋ねれば、花房は一つ頷いた。
ウエットティッシュで靴底を拭っている。
丸めたティッシュの中に包まれたものを想像しかけて、佐藤は首を横に振ってイメージを中断した。

「如月、床を消毒。それから、この件は口外しないこと」
「病院にゴキブリってイメージ悪いですもんね」

如月が言うと、花房はもう一度頷き、ナースセンターの外へ視線を投げた。
佐藤も花房と同じ方を見遣る。
二人が見ていたのは救命救急センター部長室だ。

「食べかけで捨てるからこうなるんだわ」
「同感です」

花房の呟きに、佐藤は大きく頷いて同意したのだった。
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