和菓子の日

そういえば昨日の時点で、半分をクリアしたよ！
ガンバってるよ、私！
と、調子に乗ったところで、16日の記念日に参りましょう。

和菓子の日/ケーブルテレビの日/麦とろの日/無重力の日

で、チョイスしたのが和菓子の日。
県民の日シリーズから、和菓子続きで御座いますな。
県民の日で出番の無かった将軍を引っ張り出してみる。
微妙に続いているような、いないような。

「お、客が来たのか？」

不定愁訴外来へ息抜きに来た速水が、出された菓子に目を細めた。
コーヒーを運んでいた田口が首を傾げる。

「何で、客が来たって解るんだ？」
「ここで出てくる茶菓子、みんな手土産だろ。お前買わないし。ホント、お前ンとこは貢ぎ物多いよなぁ」

速水の言う通り、今日の茶菓子は貰い物の落花生最中だった。
コーヒーに合う合わないは関係がない。
貰ったものは悪くならないうちに食べるに限るし、甘いものとコーヒーの取り合わせは大概が許容範囲だと田口は思っている。

「今度は何処から来た客だ？」
「千葉。美味かったぞ、それ」
「ふぅん」

田口の勧めに、速水は個包装を開いた。
暫し、何処から食べるか迷う素振りだったが、結局は一口で齧り付く。
むしゃむしゃと口を動かす速水を、田口は黙って見守った。
嚥下した速水が、黙ってコーヒーを飲む。

「甘かった」
「…………感想はそれだけか？」

確かにちょっと甘めだが、落花生餡が風味豊かで美味いのに。
田口はものすごく残念な気分になった。
きっと速水の舌は、チュッパチャプス摂取過剰でバカになりかかっているの違いない。

「もうお前に菓子は出さん。勿体無い」
「ケチ臭いこと言うなよ」

田口が呟くと、速水は反省の色もなくからからと笑った。