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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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15日の記念日に参ります。

信用金庫の日/千葉県民の日/栃木県民の日/米百俵デー/生姜の日/オウムとインコの日

です。
前回からの個人的ルールとして、県民の日があったら県民の日をやるというのがあります。
ので、やります。
千葉県情報下さったU様、有り難う御座いました!
御礼になるかは微妙ですが、記念にHNをアナグラムしてオリキャラに命名しております。事後報告、すみませんデス。
それではどうぞ。

「済みません、遅れましたっ!」

東城大病院不定愁訴外来室。
その扉を勢いよく開けると、中にいた女性が顔を上げた。
藤原看護師だ。
その視線に礼儀がなってなかったと内心慌てたが、藤原はこちらを見てニッコリと笑った。

「イクラ・ルイカさん?」
「あ、はい!」

藤原の口から自分の名前が出る。
井倉累花は慌てて頷いた。
頷いた拍子にセミショートの髪が大きく揺れた。

「済みません、新幹線遅れちゃっててっ! あのっ、これ、つまらないものですがっ! 本当に済みません、お待たせして……」

約束の時間は1時間近く前だった。
事前に遅れる旨を連絡したが、累花は恐縮しきりだった。
時間はきちんと守るという、体育会系な根性が染みついているせいだろう。
詫びるが、でも言い訳も聞き苦しい気がする。
その場を誤魔化す勢いで、持参した紙袋を突き出した。
累花のテンパリ具合に藤原は苦笑を浮かべながら、それを受け取った。

「『落花生最中』は解るけど、『地酒ゼリー』? 井倉さん、千葉からいらしたのよね?」

藤原が中を見て、怪訝そうに首を傾げた。
千葉と落花生はすぐ連想できたのだろうが、地酒が思い浮かばなかったのだろう。
その気持ちも解る。
累花も、千葉に住むようになるまでは、千葉といえば夢の遊園地と落花生、あとはせいぜい「ぬれせんべい」しか思い浮かばなかった。
累花は笑顔を浮かべた。

「あ、千葉って結構お酒有名なんです! 美味しいですよ、コレっ」

食べたので、味は間違いない。
藤原看護師もここの責任者も、酒は嫌いではなかったハズだ。
審判を待つ被告の気分でいると、藤原がまた笑った。

「美味しそうですね、有難く頂戴します。今、お茶淹れますね。おかけになってお待ち下さいな」

紙袋を手に藤原は奥へ入って行く。
一安心して累花は近くの椅子を引いた。
腰を下ろすと、これまでの疲労がどっと出てくる。
遅刻を挽回すべく、あっちで走りこっちで走りしたせいだ。

「あ――――…………」

まだまだこれからが本番だというのに、草臥れた声が出る。
愚痴外来の奥の院から、

「ほら、起きて下さいな。お客様見えましたよ」

と田口を起こす藤原の声がして、累花はつい笑ってしまった。
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