63000ヒット、うきら様からのリクエストです。
うきら様、キリ番ヒットおめでとう御座います。
リク内容は「でろんでろんに甘い将軍行灯」です。
ちょうど、BGM企画でうっすら考えていたのが被るカンジだったので、これを機に便乗します。
というワケで、イメージBGMはサティ「Je te veux」です。
ちょー有名なフランス語名台詞、「お前が欲しい」です。
はい、解説終わり!
今期のドラマ「熱海の捜●官」で、作中にサティを使用しているのでそこからの連想です。
あれ? 熱海って桜宮じゃないか? こんなところでもニアミスってたよ! 余談でした。
そんなワケで(どんなワケだか)、それではどうぞ。
後記:あれ? あんまりでろんでろんじゃないよ?
意味ありげにイチャイチャだ、とは思うけど。
すみません、返品可です!
うきら様、キリ番ヒットおめでとう御座います。
リク内容は「でろんでろんに甘い将軍行灯」です。
ちょうど、BGM企画でうっすら考えていたのが被るカンジだったので、これを機に便乗します。
というワケで、イメージBGMはサティ「Je te veux」です。
ちょー有名なフランス語名台詞、「お前が欲しい」です。
はい、解説終わり!
今期のドラマ「熱海の捜●官」で、作中にサティを使用しているのでそこからの連想です。
あれ? 熱海って桜宮じゃないか? こんなところでもニアミスってたよ! 余談でした。
そんなワケで(どんなワケだか)、それではどうぞ。
後記:あれ? あんまりでろんでろんじゃないよ?
意味ありげにイチャイチャだ、とは思うけど。
すみません、返品可です!
蓮っ葉通りに一流もへったくれもないが、それでも敢えて言うなら"BLACK DOOR"は一流の店だった。
ひっそりとした照明、空気の間を漂う音楽、ガラスの触れ合う涼やかな音。
雰囲気だけで酔える、そういう店だ。
フロアを縫っていくバーテンダーの後ろ姿を何となく目で追っていた田口だったが、視界の隅を過った陰に目を上げた。
間近に立つ人物を認めて、田口はゆるりと笑みを浮かべる。
「先に始めてるぞ」
「悪いな」
悪戯な口調でロックグラスを揺らして氷を鳴らした田口に、速水は口先で詫びを入れた。
L字のソファの空いた辺にどかっと腰を下ろし、長く息を吐く。
「おっさん」
「るせぇ。人の事言えねえだろ、同い年のくせに」
速水の仕草を田口が揶揄すると、速水はじろりと一つ睨み返した。
実際のところ、常日頃の運動量は圧倒的に速水の方が多い。
草臥れ加減で言ったら、明らかに田口の方が上だろう。
そんな事実に素知らぬ顔で、田口は手を上げてバーテンを呼んだ。
勝手に速水の分の酒をオーダーする。
お互いの好みなど、とうに知り尽くしているのだ。
速水からも異論は出なかった。
「お疲れ」
「おう」
程なくしてロックグラスと酒と氷が運ばれてくる。
改めて、田口と速水はグラスを掲げ合った。打ち合わせることはしない。
グラスの中で氷が揺れて、微かな音を立てる。
無言は別に珍しいことでもなかった。
隣にある気配に落ち着く相手など、お互いしかいない。
ステージで一曲が終わったのか、周囲から控え目な拍手が上がる。
速水と田口は揃ってステージに目を向けた。
次に流れたのは三拍子だ。
「あ、これ…………」
田口は思わず声を上げた。
ジャズを中心に編成するこの店では、珍しい選曲だ。
物柔らかい発音は英語ではなくフランス語だった。
「知ってんのか?」
「うん、まあ題名だけだけど」
ロック以外にはてんで疎い速水が田口に視線を投げる。
田口は微笑と共に頷いた。
マイクを通していないからかなりの声量があるだろうに、歌声は囁くように流れる。
唇を一口湿らせて、速水は話を続けた。
「ふぅん。何て歌だ?」
速水としては、歌自体に興味があるわけではない。
田口が気を引かれているものに興味が湧いただけである。
田口はステージから目を戻すと、速水を見つめてタイトルを口に乗せた。
「"Je te veux"」
「…………何語だ?」
「フランス語だよ」
聞き慣れない語感に速水が更に問いを重ねれば、田口が答える。
だが、一問一答式の会話はどうにも不親切だ。
意味まで教えてくれてもよいものを、と速水は聊か不満に思う。
田口の瞳には、面白がる色が踊っている。
田口の思惑通りだと気付きつつ、速水は次の問いを口にした。
「意味は?」
田口が笑って身を乗り出す。
耳朶を軽く引っ張られて、速水の身体は斜めに傾いた。
その耳に田口は吐息と共に囁く。
「"あなたがほしい"」
刺激的なタイトルに、速水は思わず目を見開いた。
それから、田口の思わせぶりな態度に口の端を吊り上げる。
タイトルを教えるだけなら、普通に言えばいいのだ。
傾いた身体を立て直すように身動ぎ、ついでに田口との距離も詰める。
速水の耳朶を解放した田口の指は、今は遠慮がちに速水の腕に触れていた。
「俺が欲しい?」
先程の返礼に、田口の耳に唇の触れる距離で囁きかける。
田口は擽ったそうに身を捩ったが、逃げようとはしなかった。
向き直ると鼻先が触れ合うような至近距離だ。
欲しい、よ。
音ではなく、唇の形で速水は田口の声を聞いた。
速水もその答えに満足して笑う。
薄暗い店内で三拍子が踊る。
この曲が終わったら、二人は立ち上がって店を出るだろう。
ひっそりとした照明、空気の間を漂う音楽、ガラスの触れ合う涼やかな音。
雰囲気だけで酔える、そういう店だ。
フロアを縫っていくバーテンダーの後ろ姿を何となく目で追っていた田口だったが、視界の隅を過った陰に目を上げた。
間近に立つ人物を認めて、田口はゆるりと笑みを浮かべる。
「先に始めてるぞ」
「悪いな」
悪戯な口調でロックグラスを揺らして氷を鳴らした田口に、速水は口先で詫びを入れた。
L字のソファの空いた辺にどかっと腰を下ろし、長く息を吐く。
「おっさん」
「るせぇ。人の事言えねえだろ、同い年のくせに」
速水の仕草を田口が揶揄すると、速水はじろりと一つ睨み返した。
実際のところ、常日頃の運動量は圧倒的に速水の方が多い。
草臥れ加減で言ったら、明らかに田口の方が上だろう。
そんな事実に素知らぬ顔で、田口は手を上げてバーテンを呼んだ。
勝手に速水の分の酒をオーダーする。
お互いの好みなど、とうに知り尽くしているのだ。
速水からも異論は出なかった。
「お疲れ」
「おう」
程なくしてロックグラスと酒と氷が運ばれてくる。
改めて、田口と速水はグラスを掲げ合った。打ち合わせることはしない。
グラスの中で氷が揺れて、微かな音を立てる。
無言は別に珍しいことでもなかった。
隣にある気配に落ち着く相手など、お互いしかいない。
ステージで一曲が終わったのか、周囲から控え目な拍手が上がる。
速水と田口は揃ってステージに目を向けた。
次に流れたのは三拍子だ。
「あ、これ…………」
田口は思わず声を上げた。
ジャズを中心に編成するこの店では、珍しい選曲だ。
物柔らかい発音は英語ではなくフランス語だった。
「知ってんのか?」
「うん、まあ題名だけだけど」
ロック以外にはてんで疎い速水が田口に視線を投げる。
田口は微笑と共に頷いた。
マイクを通していないからかなりの声量があるだろうに、歌声は囁くように流れる。
唇を一口湿らせて、速水は話を続けた。
「ふぅん。何て歌だ?」
速水としては、歌自体に興味があるわけではない。
田口が気を引かれているものに興味が湧いただけである。
田口はステージから目を戻すと、速水を見つめてタイトルを口に乗せた。
「"Je te veux"」
「…………何語だ?」
「フランス語だよ」
聞き慣れない語感に速水が更に問いを重ねれば、田口が答える。
だが、一問一答式の会話はどうにも不親切だ。
意味まで教えてくれてもよいものを、と速水は聊か不満に思う。
田口の瞳には、面白がる色が踊っている。
田口の思惑通りだと気付きつつ、速水は次の問いを口にした。
「意味は?」
田口が笑って身を乗り出す。
耳朶を軽く引っ張られて、速水の身体は斜めに傾いた。
その耳に田口は吐息と共に囁く。
「"あなたがほしい"」
刺激的なタイトルに、速水は思わず目を見開いた。
それから、田口の思わせぶりな態度に口の端を吊り上げる。
タイトルを教えるだけなら、普通に言えばいいのだ。
傾いた身体を立て直すように身動ぎ、ついでに田口との距離も詰める。
速水の耳朶を解放した田口の指は、今は遠慮がちに速水の腕に触れていた。
「俺が欲しい?」
先程の返礼に、田口の耳に唇の触れる距離で囁きかける。
田口は擽ったそうに身を捩ったが、逃げようとはしなかった。
向き直ると鼻先が触れ合うような至近距離だ。
欲しい、よ。
音ではなく、唇の形で速水は田口の声を聞いた。
速水もその答えに満足して笑う。
薄暗い店内で三拍子が踊る。
この曲が終わったら、二人は立ち上がって店を出るだろう。
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COMMENT
so sweet
ありがとうございます♪返品なんかしませんよぉ。ちょっと大人の雰囲気の二人ですね。(←というか、40過ぎてるから十分大人ですよね)たぶん普段甘えない分、こういうときの田口先生の仕草とかすんごい破壊力があると思います。この後の余韻も脳内妄想で楽しんでおります。
そういえば、おだじょー刑事に流れるのはGnossienneでしたね。
そういえば、おだじょー刑事に流れるのはGnossienneでしたね。
Re:so sweet
いらっしゃいませ、コメント有り難う御座いました!
改めて、63000ヒットおめでとう御座います。
リクエストが「でろんでろん」だったじゃないですか。
それには程遠いと思うのですが、出来上がったものは仕方ないな、うん。
「Black Door」は都合のよいデートスポットとなりつつあります。
行灯先生の破壊力は小悪魔級! ウチの二人は割かしカッコつけだし口説き上手でもあるかと思います。
あの曲であの話、というのは寧ろありきたり過ぎる気がしますが、そこも目を瞑って下さい。
ではでは。またの機会を楽しみにしております。
遊びに来てやって下さいませ。
改めて、63000ヒットおめでとう御座います。
リクエストが「でろんでろん」だったじゃないですか。
それには程遠いと思うのですが、出来上がったものは仕方ないな、うん。
「Black Door」は都合のよいデートスポットとなりつつあります。
行灯先生の破壊力は小悪魔級! ウチの二人は割かしカッコつけだし口説き上手でもあるかと思います。
あの曲であの話、というのは寧ろありきたり過ぎる気がしますが、そこも目を瞑って下さい。
ではでは。またの機会を楽しみにしております。
遊びに来てやって下さいませ。