お正月スペシャル、だけどその2。
頭にちょんちょろりんの生えたサトイモみたいなヤツのことだっけ?
花じゃないよな第●弾だと思います。
花言葉は【縁起がいい】です。一択です。
正月料理に入ってるくらいだ、「縁起がいい」なんて知ってるよ!
どこかで見た覚えがあると思った貴方は正解です。
いいんだよ、セルフパロだもん!
頭にちょんちょろりんの生えたサトイモみたいなヤツのことだっけ?
花じゃないよな第●弾だと思います。
花言葉は【縁起がいい】です。一択です。
正月料理に入ってるくらいだ、「縁起がいい」なんて知ってるよ!
どこかで見た覚えがあると思った貴方は正解です。
いいんだよ、セルフパロだもん!
カレンダーは大安。朝の星占いはトップ。
スーツのポケットに500円玉を発見し、桜宮署まで信号は全て青。
朝から盛り沢山の幸運に、玉村警部補は上機嫌である。
きっと今日は大きな事件も無く、玉村の仕事も大過なく終わるだろう。
「今日も一日頑張ろう…………アレ?」
出しっぱなしになっている椅子を押し戻しながら、玉村は自分のデスクに向かった。
自分のデスクに人がいる。
デスクに足を上げているらしく、後頭部の向こうに革靴の爪先が見えた。
行儀の悪い知り合いに心当たりが無く、玉村は怪訝に思いながらデスクへ近寄った。
玉村の気配を察し、男は振り返る。
「よぉ、タマ。随分と機嫌がいいな」
「ええっ?!」
玉村のデスクで踏ん反り返っていたのは、警視庁の加納警視だった。
完全な不意打ちである。
コントのような大袈裟な反応をしてしまい、取り繕おうとしても最早手遅れだった。
ゆっくりと、加納は芝居がかった様子で椅子から立ち上がる。
口元にはニヤニヤ笑いが浮かんでいた。
「そうかそうか。そんなに歓迎してくれるか、タマよ。嬉しいなぁ」
「驚きましたよ、ホント。加納警視、何だってこんなトコにいるんですか?」
「仕事に決まっているだろう、そんな事も解らんのか」
「ま、そうでしょうけどね」
加納が小馬鹿にしたような口調で言うのを、はい左様で、と受け流す。
加納との付き合いが長くなるにつれ、それなりに対応力をつけてきている玉村だった。
加納を横へ押しやって自分のデスクを取り返すと、ビジネスバッグを足元に収め、パソコンの電源を入れる。
署内ネットワークでのメールを確認しながら、玉村は加納を見上げた。
「それで、一体何の仕事です?」
「お、話が早いな」
「急ぎの仕事もありませんし、どうせ付き合わせるつもりでしょう」
「察しがいいことだ」
玉村の方から話を振れば、加納は意外そうな表情になった。
玉村の察しがいいわけではない、諦めるのが早くなっただけである。
ぐだぐだ抗って加納を面白がらせても、余計に絡まれるばかりなのだ。
「暫く宜しくな、タマ」
「了解しました」
加納はニヤリと笑って宣言し、玉村は溜息と共に頷いた。
溜息の一つくらいは、ささやかな反抗として許されるべきだ。
「あんなに縁起良さそうだったのになぁ」
朝の星占いはハズレだろうか。
そして、今日はまだ始まったばかりだった。
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