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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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今更ですが、新年の一番最初の記事ですので……。
明けましておめでとう御座います。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
年末挨拶したから、元旦は端折ってもいいかと思ったなんて言わない!


のっけから阿呆を晒している管理人ですが、メリクリあけおめ企画リクです。
今回はゆぽん様のリクエストで「お正月、実家で過ごす行灯先生」ということでした。
ゆぽん様、リクエスト有り難う御座います。
受領№01の通り、一番早くに申し込んで下さって……とてもとても安堵しました。その分も有り難う御座います。


季節ネタとしてはアウトですね。スミマせん。
行灯先生の家族構成にとってもとっても悩みました。
だって最初に思いついたのが、行灯先生天涯孤独説で、正月に墓参りする話だったんですもの!
これは何か違うだろう。
でまあ、グルグルした結果がこれです。
ドラマ版は見てないので、じいちゃんとか妹たちとかはいません。
公式でカイドー先生が行灯先生の家族設定発表したら、ひっそり変更するか注意書きを追加するかもしれません。
言い訳ばかりですね……それではどうぞです。


更に言い訳:出来上がったら、二つ前のに酷似したよ!
ゴ、ゴメンなさい……!



独立して二十年以上になる実家では、最早お客さん扱いだった。
そして年々、母親の対応が子供相手にするものになっている気がする田口である。

「いいよ、やるから」
「あら、そぉ?」

田口の分の取り皿まで下げようとした母を制し、田口はコタツから立ち上がった。
田口が皿を空けたスペースを、母が台拭きで綺麗に拭っていく。
台所の洗い桶に食器を沈め、田口は廊下へ出た。
暖房が届かない廊下は確実に冷えている。
用を足して戻る際、廊下に置いてあったミカン箱が目に付いた。

「そう言えば……」

ミカンはコタツの上にあるのが最も相応しいのに、居間のコタツにミカンはなかった気がする。
四つ五つを拾い上げて、両腕に抱えて居間のコタツへ戻った。
食器洗いを終えてコタツに戻っていた母は、田口がコタツの天板に転がしたミカンを見て目を細めた。

「あら、ありがと」
「ん。お袋、箱でミカン買ったの? 一人なのに?」
「それが結構食べちゃうのよねぇ。ほら、ビタミンはお肌にいいって言うじゃない。そういやあんた、ちゃんと野菜食べてるの?」
「食べてるって」

喋りながら母はミカンを一つ剥き、三口か四口で食べてしまった。
田口に小言めいたことを口にしながら、更にもう一つ剥き始めている。
成程、この勢いで食べているわけだ。
野菜云々に関しては、既に定石の遣り取りである。
田口もミカンを剥いて口に放り込んだ。
最初に食べたものより、二つ目の方が酸味が強かった。




「帰るよ」

頃合いを見計らって田口は立ち上がる。
コタツを出ると途端に寒さを感じ、正直挫けそうになるのだが、ここ日和ったら本当に帰れない。
例年通りのタイミングなので、既に母も手土産の準備をしてくれていた。
紙袋の中にはお惣菜のタッパーと餅と、それから先程のミカンが入っている。
それらと一緒に、母の愛が入っているのも間違いなかった。

「また何時でも帰ってらっしゃい。ここはあんたの家なんだから」
「うん」

玄関先まで見送りに出た母は、紙袋を田口に手渡しながらそう言った。
独り身の息子を気遣う言葉に頷く以外、何が出来るだろう。
田口は小柄な母親を見下ろして、ゆるりと微笑んだ。
踵を返し、暗くなった住宅街を一人歩いていく。
徐々に寒さが沁みてきて、田口の背中は次第に丸くなってくる。
最初の角を曲がったところで、街灯の下に影が伸びていることに気付いた。
慌てて顔を上げて、衝突を避ける。
影の主は、見知った顔だった。

「よぉ」
「え、速水…………?」

同居人兼恋人の速水晃一だ。
田口と同レベルの防寒着だが、ちっとも寒そうに見えない。
驚いて瞬きを繰り返す田口の表情に満足したのか、速水はにやりと笑った。

「迎えにきたんだよ。帰ろうぜ」

そう言うと、田口の返事を待たずにさっさと歩き始めた。
大股になって田口は速水の背を追いかける。
そうしてふと思うのは、母も速水も「帰る」という言葉を使うことだ。
どちらも田口にはしっくりとして、違和感がない。
母の居る家も、速水と暮らす家も……戸建ではないが……田口にとっては「帰る」場所だ。
それは何て、幸せなことだろう。

「速水」
「ん?」

速水に追いついて、田口は隣に並んだ。
紙袋を持ち換えて右手を伸ばす。
手袋越しの感触だが、繋いだ手は確かに温かい。
見下ろしてくる優しい瞳に、田口も微笑を返した。

「帰ろ」

田口の言葉に、速水はぎゅっと握る手で応えたのだった。
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ありがとうございました!
お礼が遅くなりました。すみません。
行灯先生のささいな日常が読みたいなぁ、といつも思っているので、読みながら、これこれ!こういうの!と前のめりになりました!
リクエスト企画の文字を見たときから、待機しておりました^^
えへへ。一番乗り…!!
最後はやっぱり将軍行灯で!ニヤニヤしましたv v
行灯が幸せそうで、私が幸せになりました。
ステキな作品をありがとうございました!
ゆぽん 2011/01/09(Sun)14:30:44 編集
Re:ありがとうございました!
いらっしゃいませ!
こちらこそ、企画参加有り難う御座いました!

>行灯先生のささやかな日常
いろいろ想像するけど、難しいですねぇ…一人でぼーっとしてるところばかりが想像出来てしまうのですが、それじゃお話になりませんし。
お母上については完全捏造ですが、許容範囲内だったようで一安心です。
コタツにミカンは正義!

お返事遅くなりましてゴメンなさいです。
こんなへっぽこ管理人ですが、今年もどうぞ宜しくお願い致します。
S.Kirishima 2011/01/11 12:25
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