忍者ブログ
こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
[461]  [460]  [459]  [458]  [457]  [455]  [454]  [453]  [451]  [452]  [448
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Happy Hallowe'en. Trick or Treat!

強引にエンドシーンに持ち込んだハロウィーン企画です。
取り敢えず看板に偽りナシです。
薄い御本でいうところの「表紙詐欺」でもないハズ。
途中、自分の中で何か一本切れた気配がありました。


最近アウトプットの速度落ちた気がするんだよなぁ。
1本のSSを書くのに時間が倍以上かかっている気がするです。
1週間空いてしまうと

・前に書いた内容を忘れる
・どんなトーンで書くべきかを忘れる

という情けない有様に陥ります。
何か繋がってない気がしたら、つまりそういうワケです。


では、続きからどうぞ。

コーローショーの会議は、王様が言うとおりグダグダでした。
王子様は既に眠くて眠くて仕方ありません。
これがハロウィーンの国だったら、この時間を有意義に昼寝に使うことも出来たのに……残念ですね。
王子様の前では、コーローショーの火喰い鳥が短い腕を振ってご高説を打っております。

「だからさぁ、『政治的に正しい行事』って何さってことになるんだよ」

火喰い鳥というのは他人から聞いた渾名で、王子様はその由来を知りません。
寧ろ、王子様には彼がGな生き物の親戚に見えます。
ハロウィーンの悪戯オモチャにはなかなか有効な生き物ですが、ハロウィーンの国の人が全て蜘蛛や蛙やGの付く生き物が好きだとは限りません。
しかし実は、王子様はあまりGを怖いと思ったことがありません。
Gの方が反応速度が圧倒的に早いので、王子様があっと思った時には既に相手の方が姿を消しているからです。
全くの余談ですけど、ね。

「政教分離なのだから、宗教色を排除してはどうか?」
「じゃあ、初詣も行っちゃいけないんだね」
「初詣は行事ではないだろう」
「お正月って行事じゃないの?」
「お正月は行事、初詣は慣習だろう?」
「だからぁ、お正月という行事から宗教色を排除したら、初詣には行っちゃいけないってことになるでしょ」

会議は1月1日から一向に進みません。
10月31日、ハロウィーンまで回ってくるのは何時になることやら。
他の行事については全くの門外漢である王子様ですから、発言を求められることもありません。
つまり閑で閑で仕方がないのです。
これから何時間、何日、この会議に付き合うハメになるのかと思うと、面倒臭くて堪らないのです。
……王子様の堪忍袋の緒が切れました。
意外と短気なのです、この人。

「あれ? グッチー何か言うの?」

がたんと椅子を鳴らして立ち上がった王子様に、火喰い鳥が興味津津という表情で声を掛けます。
グッチーも王子様の渾名です。火喰い鳥が勝手に呼んでいるだけです。
議長役が完全に無視されていますが、それでいいのでしょうか。
火喰い鳥やその他、いろんな人たちの視線を集めた王子様はゆっくりと口を開きました。

「Trick or Treat!」

そうです。
ハロウィーンの国の、無敵の呪文です。
流石の火喰い鳥も一瞬ポカンとしてしまいます。
勿論、机の上にはお菓子の類はありません。
お茶も出ないのですから、ケチくさい会議であります。

「ないねぇ」

火喰い鳥は周囲を見回し、代表して答えました。
その答えに、王子様はニンマリと笑います。

「それじゃ、イタズラですね」

ポケットから取り出したのは、地雷原お手製の不思議花火です。
王子様のなけなしの投擲能力でも、その狭い会議室には充分でした。
ホワイトボードに当たって、かつんと地面に落ちます。

チュド―――ンっ!!

「…………え?」

かなり派手な音が炸裂しました。
部屋のガラスが外へ吹っ飛びます。
もうもうと煙が舞い上がり、向かい側にいた人々の姿は見えません。

「あーあ、やっちゃったぁ」

一人ちゃっかり衝撃波を避けた火喰い鳥が、わざとらしい声で言います。
予想以上の威力です。
それとも、花火を間違えて持ってきてしまったのでしょうか?
取り敢えず王子様に出来ることは、その場をトンズラすることだけだったのでした。




「僕もその場に居たかったなぁ。どうして呼んでくれなかったんですか、先輩? 僕一人くらいどうとでも捻じ込めたのに」

王子様のしでかした"イタズラ"を噂に聞いて、王子様の後輩が無責任に残念がりました。
王子様はまったくもって他人様に向ける顔がない状態です。

「そうだな……お前に任せておけばよかったな……」

この後輩、とんでもない行動力で奇想天外なイタズラを得意とする男でして、ゲリラとまで渾名されているのです。
確かにゲリラな彼なら会議室を吹っ飛ばすくらいは朝飯前で、良心の呵責もなくやってのけたでしょう。
しかし王子様は小心者ですので、報復に怯える日々です。

「大丈夫ですって! 難癖つけてきたら、また吹っ飛ばしてやればいいんですから。今度は徹底的に、ね」
「お、その時は俺も混ぜろよ」
「ったく、お前らほどほどにしておけよ……」

後輩ゲリラの発言に、ご学友の血塗れ将軍が悪乗りします。
同じくご学友のヒゲ魔人は呆れ顔ですが、しかし、二人を止める発言ではありません。

「もう、どうしてくれよう…………」

確かに、腹黒狸な王様の思惑通り、会議はぶち壊してきました。
文字通りに、です。
しかし一気に増えてしまった面倒事に、王子様は何十回目かの溜息を吐くのでした。
PR
back
COMMENT
name
title
text
color   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
mail
URL
pass
secret
TRACKBACK
TrackbackURL:
PREV ←  HOME  → NEXT
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[04/04 トワ]
[04/03 武那しめじ]
[03/12 名無し]
[01/04 みなみ]
[12/16 武那しめじ]
リンク
倉庫サイトと素敵同盟さま
プロフィール
腐れ管理人、霧島です。
趣味は図書館通いと立ち読み。
レンタルで映画DVD視聴。
モットーは「とりあえず」。
ブログ内検索
バーコード
最新トラックバック
Copyright (C) 2024 M-Rainbow All Rights Reserved.

Photo by (c)Tomo.Yun   TemplateDesign by kaie
忍者ブログ [PR]