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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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管理人、このミス2008は未読ですが、この中でグッチー先生はダッフルコートを着用していたそうですね?
管理人の勤務先って大手総合スーパーですが、紳士物ダッフルコートって全然売ってないんですよ。てか、ダッフルって学生向きなのか?
そんなイメージから、学生時代の二人。

余談ですが、後日ダッフル着用の中年男性を発見し、一人舞い上がりました。
いい加減阿呆だ。



「お前って…………くっくっくっ」

人の姿を見るなり、速水は笑いだした。
当然のことながら田口は仏頂面になる。
何が悲しくて、対面一番に笑われなきゃならんのだ。

「おい」
「いや、悪い……コート出したんだな」
「ん? ああ」

ちっとも悪びれていない口調で詫びを言い、速水は唐突に話題を振った。
首を傾げながらも田口は頷く。
ここ数日、一気に寒くなった。
細い分熱量が足りないのか、田口は寒さには弱かった。暑さにも大して強くはないが、それは夏の悩みだ。
速水や島津といった体温の高そうな連中はまだ薄手のブルゾン程度で凌いでいるが、一足早く田口は冬装備に切り替えたのだ。
その田口のコートを、速水は軽く摘まんで引っ張った。

「これ、高校ん時の?」
「ああ、まだ着られるし」

新しいのを買う金もない、という理由もあるが、そこは黙っておく。
田口の返事に、再び速水は笑いだした。

「何なんだよ、一体」
「いや、お前、ダッフルコートって…………ガキみてぇ」
「なっ」
「かーわいーな、行灯クンは」

唖然とする田口を放置し、盛大に笑いだした速水は、挙句田口の首根っこを捕まえて頭をガシガシ撫でだした。
もともとボサボサだった髪は更に散らかり放題だ。

「放せよっ、こら、速水っ!」
「かわいーかわいー」

田口がもがけばもがくほど、速水を付けあがらせるばかりだった。




数年後。
朝の東城大学病院前の門で、二人は顔を合わせた。
田口は一足早い冬物のコート、速水は秋物のブルゾンで耐えている。
田口の姿を上から下まで見遣った速水は、不意にニヤリと笑った。

「お前って変わらないな」
「は?」
「ダッフルコート。可愛過ぎ」
「お前…………っ」

二人の最初の冬を思い出して、田口は仏頂面になった。
その田口の後頭部を軽く叩いて、速水はさっさと歩き出したのだった。
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