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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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68888ヒット、みやび様からのリクエストです。
ヒットおめでとう御座います&リクエスト有り難う御座います。
遅くなりました、もうホントマジですんません!


リク内容は「学生時代、いちゃらぶな将軍行灯」でした。
ずるずる長引かせているうちに季節も変わってしまいました。
だからこそのコタツです。
霧島はコタツユーザーではありませんが、コタツにはロマンが詰まってるという話。
江戸時代の川柳に、彼女の手を握ろうとしてうっかり彼女の母親の手を握ってしまうのがあります。
つまりその頃からコタツはロマンの塊ということだな。
どっかで読んだことのあるようなネタ……って、思い出した。余所のサイト様でやってたよ!
仕方ない、路線を捻じ曲げた……ら、いちゃらぶ成分が消えたよっと。
そんなカンジですが、ご容赦下さいませ。






「おお、コタツっ!」

狭い部屋のド真ん中に鎮座ましましているその家具を見て、遊びにやってきた速水は歓声を上げた。
田口は自慢げに鼻を鳴らす。
早速コタツ布団を捲り、一角を占拠しながら、

「お前にしちゃ動きが早いじゃないか」

などと、速水は田口をからかった。

「寒いのヤだし」

田口にとっては、偏にそれが理由だ。
普段は後手後手な田口だが、寒くなり始め早々にコタツを設置した。
やはり日本人はコタツだ、と田口は頑なに思っている。
生来の怠け根性にますます拍車がかかり、冬の初めだというのに既にコタツムリと化している田口だった。

「いいなぁ、コタツ。和むよなぁ」

コタツに潜った速水は、天板に頬を押し付けてコタツに懐いていた。
速水の家にコタツは出てこない。
そもそも存在しないのか、それとも単に出さないだけなのか。
速水と知り合って三年、その間に一度も速水の家でコタツを見た事が無いので、恐らく前者だろうと田口は考えている。
そんな速水を冬に自室に招待するのは、つまり速水にも冬の日本の風物詩を味わわせてやろうという、偉そうな思いやりだ。

「なぁ、ミカンねえの?」
「無い」
「ちぇ――――っ」

田口の言葉に口を尖らせながら、それでも速水は機嫌を悪くする様子も無かった。
テレビのチャンネルをあちこち弄り、結局無難な時代劇の再放送を流しっぱなしにしている。
ミカンは無いが茶菓子ぐらいならあるし、お茶もある。
酒にはまだ早い時間だ。
テレビの音を聞きながら茶の支度をしていたのはそう長い時間ではなかった筈だが、田口が振り返った時、既に軽い寝息が漂っていた。

「早…………」

コタツの魔力に、呆気なく速水は降参したらしい。
昼寝ばかりしている田口でさえ呆れてしまうような、寝付きの良さだった。
思わず呟いた田口の声に、当然ながら起きる様子もない。
田口は湯呑と茶菓子を静かにコタツの天板の上に置くと、そろそろと息を詰めて速水の顔を覗き込んだ。
顔の造作の整っている男は、当たり前だが寝顔も整っていた。
コタツの暖かさが幸せなのだろう、表情は緩んでいる。

「マヌケ面……」

自分の呟きはやっかみ以外の何物でもない。
指先で突くと、速水はくすぐったいのか少しだけ笑った。
それが妙に可愛いと田口は思う。

「…………って!」

自分より図体のデカイ男にそんなことを思う自分に慌てて、田口は首を横に大きく振って奇怪な考えを追い払ったのだった。
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